描かれたチャイナドレス@ブリヂストン美術館

 ブリヂストン美術館貝塚学芸員が企画された「描かれたチャイナドレス」という企画展を拝見した。この画像は主催者からの許可を頂き撮影したものである。

 展覧会のみどころを実際の絵画を前に参考図版と共に紹介いただき、奥行がある構成を実感した。これを昨年夏に企画して実現するチカラも素晴らしい。

1915年、藤島武二が嗅煙草を前にしてすわる女性像、《匂い》が、大正期の中国服をまとう女性像の登場だそう。

ローマ留学中に見たルネサンス肖像画のように女性の真横を日本人モデルに中国服を着せて油彩画で描いた。藤島は中国服フェチ、横浜などで50着以上を買い集めたという。
ちなみに、参考図版。現在行方不明だという。いかにもルネサンス肖像画の影響を受けた美しい作品。

《女の横顔》のモデルは佐々木カ子ヨ(かねよ)竹久夢二のモデル、恋人にもなった「お葉」。

小出楢重は「支那服が書きたい」と言って実現したというアトリエでの上海の踊り子。現在はリーガロイヤルホテルに飾ってあるもの。今回は朱色の壁とライティングの御蔭で輝くような印象になった、という。

 安井曾太郎《金蓉》1934年
依頼を受けて小田切嬢を描いたという。この1枚から発想させるとはなんと魅力的な絵であろうか。

児島虎次郎の艶やかな中国での風景。

今回は会場にチャイナドレスなど中国の衣装を配して多面的多層的な
構成になっていた。

美術館は、チャイナドレス割引や、シノワズリティーという愛らしい企画もしている。クローゼットにチャイナドレスがあったら、ぜひ来て出かけるとよい。さぞ、朱色の壁面に飾る絵画と同様に似合うことだろう。