新里明士「Luminescence...」展@8/ART GALLERY ヒカリエ

2013.7.31-8.12
新里明士「Luminescence...」展@8/ART GALLERY ヒカリエ

 
7/31(水)18:00-オープニング 18:30-小山登美夫ギャラリー
小山登美夫氏と新里明士とのギャラリートーク

「つかえるもの と つかえないもの の はざま」
宋の時代の青磁に惹かれて陶芸の世界に入り、
やがて白いうつわで表現する方法を探し当てた。
アメリカで一年間滞在とルーマニアでの個展を成功させて凱旋。
中田率いる REVALUE NIPPON PROJECTで宮島達男氏とのコラボレーションの影響だろうか、ますますデジタル的でもあるが、アナログな手作業のたまもの。


今回、展覧会初日に持ち込まれたという、フェルメールブルーをおもわせる
ラピスラズリ色の「うつわ」
使えそうで使えない。夏のレース模様。


今回の小山登美夫ギャラリーだからこそ、成しあえる
「うつわ」という意識から異なる、平面構成の後ろから光を当てることで
レース模様のように重なる。
小さな光が整然と並ぶようで少しずつ大きさが異なり、釉薬が重なり
新しい表情を見せる。


まるでビルディングのようであり、テキスタイルのようでもある。

基本は「うつわ」というカタチを通して、さまざまな挑戦をしていくという。
自分の日記では2008年個展から見ているが、良い意味で変容していく。
技術力は複雑かつ丁寧な仕事へと進んでいる。
以前は東京近代美術館の金子賢治氏と共に
「KOGEI」と「ART」に対する海外の考え方について伺ったが、
日本陶芸界が持つ伝統力ではなく、その文化に根差した新しい価値観に
繊細な技法で挑んでいる。彫刻ではなく「うつわのカタチをしたART」
既にこの「使えないうつわ」が放つ魅力は高まっている。

小山登美夫ギャラリーより引用
新里明士は1977年千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科中退後2001年多治見市陶磁器意匠研究所修了。現在岐阜県土岐市を拠点に制作を行っています。2008年「第3回パラミタ陶芸大賞展」大賞など数々の賞を受賞、国内の他、アメリカ、イタリア、ルーマニアなど海外でも多くの展覧会に出展、高い評価を得ています。
 本展覧会のタイトル「Luminescence」とは、物理学用語で「熱を伴わない発光、冷光」という意味。それをそのままに表現しているといえる新里の作品「光器」は、透光性の高い白磁に穴を開け、穴に透明の釉薬を埋めて焼成したもの。光に透けて文様が浮かびあがる様を蛍の光に例えた「蛍手(ほたるで)」と呼ばれるこの手法により、あたかも作品自体が光を帯びているかのように、繊細で高貴な印象を持ち合わせます。本展では「光器」のシリーズを基に新たな展開も発表する予定です。暑い季節に涼やかな「光」に包まれる会場にぜひお越し下さい。