国宝 大神社展@東京国立博物館平成館

2013年4月9日(火) 〜 2013年6月2日(日)

 今回ブロガー内覧会の機会で訪れた。
(撮影は主催者の許可を得たものである)
 当方はぼやけた会場風景写真しかないが、これはぜひ肉眼で見るしかない。
 「空前絶後」という通り、普段社殿奥にひそやかに安置された御神体がこうやってライトを浴びることはないであろう。
 また前期後期と総入れ替えに近い形で出品が変わるため、5月6日までの前期、5月12日からの後期と二度いく必要がある。

 その中で必見と言われたのが、この「七支刀」
教科書に必ず出る作品であるが、複製でも出してもらえないこの逸品。特別に5月12日まで延長して展示される

 担当者の話では、この展覧会を見た人100%「素晴らしい」と言うが、まだ見たことのない人には関心が非常に低いのだ、という。こんなに国宝級が揃う空前絶後の「神社お宝」の展覧会なのになぜだろう。
 
 「神社」は信仰の場として、年中行事に浸透しているが、社殿や御守、御神籤までがイメージできるもので、「御神体」その中を見る機会は今まで皆無だったのかもしれない。今まで神社から出ることはなかなかなかったお宝がズラリと揃う。

 こんなに「国宝」の割合が高いのは、今までなかっただろう。仏像はそんな割合を広告ネタにしていたが、「神社」はほぼすべてが宝。年中行事では「神社」は相変わらず欠かせぬ存在になっている。しかしお寺と違って、御神体を「開帳する」などという機会は非常にまれで、神社の奥に密やかにあった宝が出るのは、こんな展覧会でなければ絶対無理。

 自然を崇拝していた日本人の「山の神」「海の神」
その信仰のカタチが考古学資料からも検証される。
 そして、仏教の影響から「神」もカタチを与えられ、人間らしいカタチの「神像」ができてくる。人間らしい姿ながら神々しい印象。童子や慈愛に満ちた女性の姿でも登場する。

 当時の最高の技術と材料で職人の手によって作られた工芸品、着物、すべてが、時代を伝えるタイムカプセルでもある。神社は時空を超えてずっと日本人の信仰の在り方を示してくれる。
 日本人として見て知るべきこと。大事な役割ではないだろうか。
  
第1章 古神宝
第2章 祀りのはじまり
第3章 神社の風景
第4章 祭りのにぎわい
第5章 伝世の名品
第6章 神々の姿