奇跡のクラーク・コレクション展@三菱一号館美術館

奇跡のクラーク・コレクション展@三菱一号館美術館

早春の丸の内に相応しい展覧会。
なぜ「奇跡」といわれるのか3つのエピソードが紹介されている。
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「人生を美しく生きる幸せ」のキャッチコピーのとおり
幸福な絵画体験をさせてくれる。
印象派でも美しく、日本人好みの作品が来ているが
印象派」で誤解するなかれ。フランス美術史の60年間を感じるよう
会場が丁寧に構成されていて、一点一点と出合い向き合う場として
この三菱一号館の幾部屋にも区切られた部屋がむしろ
良いリズム感となっている。
途中、壁面を青、赤にすっかり覆って トリコロールカラーを
意識したのか良いアクセントとしている。

クラークコレクションの形成に大きく貢献したスターリングの妻フランシーヌ。
コレクション形成の哲学が、二人の仲を感じさせる。
二人の審美眼は印象派を中心としているが、多くは美しい光を感じる色彩
とりわけ、青や緑が美しいのが特徴かもしれない。
ルノアールの「鳥と少女」、ジェロームの「蛇使い」など、
美しい青が印象的である。

エドガー・ドガの自画像や踊り子たち
アンリ・ド・トゥールーズロートレックの「カルメン」「待つ人」も
そのデッサン力は見逃せない。

どうぞ春色の気持ちになる展覧会、多くの人が幸せな気持ちになるように。