イノセントワールド 神戸智行展@佐藤美術館

佐藤美術館の奨学生、多摩美術大学日本画学科、
「じつにうつくしい絵なのです」(佐藤美術館学芸部長 立島恵)

文化庁海外研修員としてボストンに滞在、DOMANI明日2010展であの空間全体を水の世界に変えてしまった作品。
下地に丁寧に箔を貼り、微妙な色合いで彩色を施し、薄い和紙を重ねて幾重にも折り重ねた画面から、小さな生命が動き出すよう。

3階 一双四曲屏風大宰府天満宮に奉納される「一瞬の永遠」 日輪に紅梅、満月に白梅。新しい琳派の様式のごとく、美しい一瞬を永遠に留める。3.11大震災の時に神戸氏はちょうど大宰府にいたという。運命にも似て。
中日新聞の中日俳壇に添えた小さな挿絵原画。それぞれのタイトルと由来がウィットに富んだ愛らしい小品。「なかまはずれ」などモノクロながら。
「星のカタチ」金魚と水草が自由気ままに画面に浮遊する感覚が不思議。それは2次元ではなくて奥行きをもった不思議な空間。

4階「幸せノカタチ」画面にクローバー。そのひとつひとつの葉を見ていると、四葉のクローバー探しと似た体験が。
「クロハネ」アニメーション。そういう試みも素敵。トンボってこうやって休むんだと感心しながら眺めている。

立体は丁寧な手作り。なんと石膏に岩絵の具!ちいさな庭を自由に行き来して隠れたり。カエルがかわいらしい。

5階「彩雨」こんなに美しい五色に彩る恵みの雨。