Be Alive! ―原美術館コレクション@原美術館

Be Alive! ―原美術館コレクション@原美術館
2011年1月14日[金]―6月12日[日]
開館時間: 11:00 am-5:00 pm(祝日にあたる5月4日を除く水曜日は8:00pmまで開館。
入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日: 月曜日(祝日にあたる3月21日は開館)、3月22日
入館料: 一般1,000円、大高生700円、小中生500円/学期中の土曜日は小中高生の入館無料

 本日2月10日は入場料が700円になった。なんでもギャラリー1が改装中で見られないためだそう。ギャラリー1では 「ミカリーン トーマス:母は唯一無二の存在」が2月17日から始まるため準備中。リストの作品は2月9日までとのことで見られなかった。その分、ライティング調整の様子や、秘密のソファが出来る様子を見せてもらう。
ミカリーン・トーマスさんを見出した原美術館学芸員の方にいろいろと教えて頂いた。
敬愛する母との関係から出来あがった作品。ライティングによってキラキラしたラインストーンでさらに魅力が増す感じ。
 アフリカン アメリカンの女性を描いた色鮮やかな肖像画 ミカリーン トーマス(1971年生まれ)の「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」(2009 年)が昨年原美術館コレクションに加えられたことを機に、作家をニューヨークから招く企画。絵の舞台を再現したインスタレーションとともに紹介され、また展覧会初日には作家によるトークも開催される予定。

 常設展と作品リストをもらってギャラリーを順に巡る。この半円形の建物が楽しい。
アラーキーの作品集が続く、愛しのチロと陽子さん。モノクロとは思えぬ鮮明に極彩色の記憶。「花淫」バラの花に蜥蜴。
 やなぎみわのモノクロ写真と映像「砂女」 黒い部屋にちょうど良い感覚で配置。このゴシックでメルヒェンなカタチは昔からあった老婆と少女の関係に棘を刺したように示してくれる。その奥はビビロッティ・リスト数年前に個展をしたはず。ランプシェードから心地よい椅子にあの風景が投影されていく。薬箱の側面にはまるで楽園のように鮮やかな動きが映し出される。ちょうど緑色のカーテンを閉めているが、学芸員トークで少し日本庭園が紹介された。円形のサンルームは心地よい空間。
 2階にあがると、森美術館で出会ったあの作品があった。
そうして最初の部屋はウィリアム=ケントリッジ。時間がぐるぐる廻り、インクやスタンプが動き出す、あのケントリッジらしいアニメーション。伯父さんは大活躍なのにインクで真っ黒になったり、鏡の美女の表情や蜘蛛の動きなど見所満載。
 その隣は束芋「日本の台所」戸を開けて入るとすっかり束芋ワールド。畳敷きが奥行きを感じさせるために、わざと台形に仕立ててあって、なんとも細やか。高橋コレクションでは小さい画面だったが、両側にも外風景を描き三面仕立て。大画面ゆえに非常に強烈。
 さらに広間に入ると、加藤泉ワールド。木像の不可思議な世界は一層引き込まれてしまう。個人的には好きになれないが、今回は親子に見える三人がそれぞれに輝く石を目に嵌め込み草をくわえているような長閑な雰囲気はなかなか。
 その空間には奈良美智「Eve of Destruction」がある。その奥の部屋には、奈良さんのアトリエを再現したような空間が待っていた。
 原美術館の常設展では宮島達男の黒い半円空間、須田さん、森村輪廻、久しぶりに来たせいか新鮮な感激が多かった。庭の彫刻も天気がよいせいで、二階からの眺めも楽しめた。
 100%好きになる美術館。最後はcaféでランチをする。ミカリーンさんたちもいらしていた。とても気さくな方で一挙にファンになる。もう一度来ようかと思う。長い間開催されるので、楽しみは持続しそう。

原美術館より
原美術館は1979年12月の開館以来、常に<現在(いま)>第一線で活躍する作家たち、あるいはこれからの活躍が期待される若手の作家たちとの、出会いと交流を大切にしてまいりました。
今回の「原美術館コレクション展」では、“Be Alive!”―現在(いま)、この瞬間、生きろ、元気に行こう―をキーワードに、21世紀に入って10年が経過した<いま>、まさに生き生きと第一線で活躍中の作家たちによる表現を所蔵作品の中から選りすぐり、展観いたします。
「個人の感性、個性を大事にして継続してきたことが、原美術館コレクションの特徴」(館長・原俊夫)と言えます。当館において企画展の開催、あるいはコレクションの収集時に最優先されるのは、ひとつひとつの作品と真摯に向き合う<この瞬間>の感動です。それは、作家の国籍や人種、性別はもとより、既存の価値観に基づくアートの潮流にも囚われない、私立美術館としての自由意思の表明でもあります。また、作家や鑑賞者の皆さまと同時代の視座に立ち、「新しい価値を共に創造してゆくこと」は、当館の基本方針でもあるのです。コレクションは当館の姿勢を顕著に伝える顔であり、また開館から約30年の歩みを映し出す鏡とも言えるでしょう。

【出品作家】
青木野枝、荒木経惟加藤泉、ウィリアム ケントリッジ束芋、田幡浩一、ミカリーン トーマス、奈良美智名和晃平、ジャン ホワン、ピピロッティ リスト、やなぎみわ
<2月9日[水]まで河原温、森弘治、森村泰昌作品をギャラリーIにて公開、
その後2月17日[木]から始まるミカリーン トーマスのプロジェクトのため、展示替え>
出品点数=約30点

交通案内: JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3分。毎週日曜のみ、品川駅高輪口より無料ミニシャトルバス「ブルンバッ!」を運行日曜・祝日には当館学芸員によるギャラリーガイドを実施(2:30pmより約30分)


ミカリーン トーマス アーティスト トーク
2月17日[木] 6:30−8:00pm(開場 6:00pm)聴講料無料(要予約。展覧会も閲覧可)
ミカリーン トーマス (Mickalene Thomas
1971 年生まれ。2000 年プラットインスティテュート卒業、2002 年イエール大学修了。2002−3 年、ハーレム スタジオ美術館におけるレジデンスプログラム参加。2010 年ニューヨーク近代美術館53 番街側ウィンドウのための作品を依頼される。ウェブサイト: http://www.lehmannmaupin.com/#/artists/mickalene-thomas