これは本ではない―ブック・アートの広がり@うらわ美術館

これは本ではない―ブック・アートの広がり@うらわ美術館
2010年11月20日(土)〜2011年1月23日(日)

本というカタチ、四角く文字が浮き出る物体という定義か。様々な素材で「本」という符号を使ってせ会を表現しようとする。
渡辺英司「蝶瞰図」図鑑から飛び出す蝶が一面に。二次元と三次元、さらには眩暈がするような、不思議な世界観。
文字の集積体によってパッケージ化された「本」という物質感。
カン・アイランのLEDと音声による。本というパッケージを用いながら、もっと深い社会問題を伝えようとするアートに。
うわら美術館ではひとつひとつに丁寧に解説を付す。見た目だけでわからない、本は文字を追わなくては中味がわからないように、アートは見て思考をかさねて、アート。
ブック・アートの世界―絵本からインスタレーションまで

荒木高子、遠藤利克、柏原えつとむ、河口龍夫、カン・アイラン、長沢明、西村陽平、福本浩子、三島喜美代、村岡三郎、八木一夫吉増剛造、若林奮、渡辺英司

うらわ美術館より引用
 これまで多くのアーティストたちが、挿絵や装丁をはじめ、さらには本をテーマにして様々な作品を制作してきました。アーティストたちは何故「本」や「本的なもの」に惹きつけられるのでしょうか。本が、人間の記憶や思考を外在化したものであるとすれば、本は姿を変えた人間のたとえであるとも言えるでしょう。現代のアーティストたちの関心は、本をめぐるこのような大きな変化を通して、人もまたどのように変ってゆくのかということにあるのかも知れません。
 うらわ美術館は「本をめぐるアート」を収集の柱の一つとして活動をし、現在コレクションは1000件を超えています。本展では当館収蔵作品に加えて、より広がり深化するブック・オブジェの数々や中堅・若手作家のインスタレーション作品を紹介します。それらを通して、「本ということ」の見えない側面に迫ろうとするものです。