名和晃平「Synthesis」@SCAI THE BATHHOUSE

名和晃平Synthesis」@SCAI THE BATHHOUSE
2010年9月24日(金) - 10月30日(土)

 今回の “PixCell-Double Deer”は、外部であるSCAIの白い壁、オープニングに訪れる人影が写りこみ、大きなBeadsには内部である鹿の毛が映り、それぞれが不思議な協和音を立てて乱反射しているよう。
カラスやシズカちゃん、メトロン星人、観音など。愛らしいアイテムが並ぶ。
グリッドに絵の具が定着しきれないでカタチが残る。
おびただしいドットの数。滴(しずく)が生まれ他者と接触し変容していく過程を見るよう。

 名和晃平は1975年大阪生まれ。ビーズやプリズム、シリコーンオイル、発泡ポリウレタン、グルーなど様々な素材を用いた多様な展開。それぞれの作品はBEADS、PRISM、LIQUID、SCUM、GLUE...とカテゴリー分類。根幹にある「ものの表皮」への意識。「見ること」「触れること」といった視触覚の情報。

SCAI THE BATHHOUSEの解説によれば
 「PixCellは、Pixell(画素)と Cell(細胞・小部屋)の2つの単語を掛け合わせた名和による造語ですが、インターネットオークションを介してデジタル情報として出会ったモノを実際に質量、質感のともなったオブジェとして手元に取り寄せ、その表面をガラスビーズで覆ったり、プリズムボックスに入れるといったアナログな手法でオブジェの表皮の情報を操作し、新たなデータフォーマットとしての彫刻(PixCell)に置き換えています。」