江戸絵画への視線―岩佐又兵衛《官女観菊図》重要文化財指定記念@山

山種美術館蔵開館記念特別展VI
「江戸絵画への視線―岩佐又兵衛《官女観菊図》重要文化財指定記念―」
会場:山種美術館
会期:2010年7月17日(土)〜9月5日(日)

山下裕二教授の講演会。
山種美術館で開催中の開館記念特別展VI「江戸絵画への視線―岩佐又兵衛《官女観菊図》重要文化財指定記念―」展に行って来た。
岩佐又兵衛「官女観菊図」(重要文化財) 17世紀前半
作者不詳「輪踊り図」17世紀
酒井抱一「秋草鶉図」(重要美術品)19世紀前半
鈴木其一「四季花鳥図」 19世紀中頃
山種美術館創設者である山恕W種二氏は丁稚奉公時に見た酒井抱一が原体験。
其の後偽物も掴ませられながら審美眼を養ったそう。今回も抱一作品から6点が出展されている。

酒井抱一「飛雪白鷺図」「菊小禽図」「秋草図」「月梅図」
又兵衛作品に典型的な顔の女性が3人。牛車の中より野に咲く菊を鑑賞。画面の中に無数に走る繊細な線によって作り出されるモノクロームな世界。又兵衛顔の女性のほつれ髪の乱れる様。幼少に美しき母を亡くした経験からか、妖艶な女性が特長。
俵屋宗達(絵)・本阿弥光悦(書)「四季草花下絵和歌短冊帖」17世紀「四季草花下絵和歌短冊帖」
この作品にしても画像右奥に見える宗達「槙楓図」、抱一「秋草鶉図」、其一「四季花鳥図」
鈴木其一「四季花鳥図」山種美術館ではLED照明により上部だけからではなく、下部からも光をそれぞれ変えて当てています。作品をより魅せる照明を取り入れています。今回は上からは月の明かり。下からはロウソクの灯に近い光で琳派の金屏風を照らし出しているよう。鶉の親子のあたりも注目。
「江戸絵画への視線」展では琳派、やまと絵の他にも狩野派文人画、緒派、そして第二展示室では「江戸絵画への視線(近代絵画)」と題し速水御舟の「名樹散椿」(重要文化財)他も公開されている。
柴田是真「墨林筆哥」漆絵の数々も素晴らしいが、精密技巧の箱は注目。
長沢芦雪「唐子遊び図」(重要美術品)18世紀
作者不詳「竹垣紅白梅椿図」(重要美術品) 17世紀(江戸前期)