屏風の世界@出光美術館

 屏風の世界 出光美術館の充実したコレクションを上手く使い、屏風の魅力を多面的に紹介する。
 ルーツである鎌倉時代の「山水画図屏風」をパネルで紹介する。
出光にあるのは「室町時代」だが、あの時代の豪著な雰囲気が感じられる。

 牧けい(もっけい)の図屏風へのオマージュ
雪舟の花鳥図 岩は「ごきごきした」筆致(列品解説の言葉)、
西湖は両方に立てかけて、自分は真ん中に立ち、360度の景観を楽しんだのでは と。

物語は 印象的な一場面。伝も含め岩佐又兵衛のユニークな人間が多く描かれる。
源氏物語は絵具も素晴らしく、金細工や繊細な装飾文様を見て欲しい。
三十六歌仙は表情豊かな三十六人。下に読み下し文もあるので、是非。

 蛮図屏風は、最新の照明。3方向から光を当て金雲が輝かしく映える。南蛮渡来人たちのパンツ文様のユニークなこと。鮮やかな文様をまるで貼り付けたようだが、とても楽しい。
大阪夏の陣 当世御馬鹿合戦のよう。頭真っ二つあり、首切り死体あり。恐ろしさを超えて漫画チック。長谷川の自由な描き。山口晃「当世おばか合戦」を彷彿する。

 世界図屏風は舶来品を模写したものだが、翻訳間違えた国もあるらしい。「日本」も逆輸入されたバタ臭い人物に。. 蝦夷(北海道)や新大陸(北アメリカ)がないなど、当時の世界観が反映された図。

 江戸風俗図屏風は、出光美術館ならではの目玉(今回は全期展示だそう)2400人以上の人物が詳細に書き込まれ、寛永寺隅田川から芝浦海岸まで名所が連なる。遊女も喧嘩も大工も江戸名物尽くし。
表情が目鼻立ちばっちりでユニークな表情。

 最後には屏風が出来るまでが一双の屏風で解説してあって分かりやすい。
屏風って面白い 魅力全開。
NHK 美の壺 屏(びょう)風 (NHK美の壺)