フランク・ブラングィン展@国立西洋美術館

フランク・ブラングィンはこの展覧会で初めて知った作家
以前職業診断
というユニークなBGMとミステリー調の質問を答えていくと….

職業判断も最後にはブラングィンに辿りつくのが面白い。
いやあ よくできたサイト。何度も試せるのでオススメ。

ブラングィンって誰?多彩な顔をもつブラングィン
画家
壁面装飾家
デザイナー
版画家

何でしょう このマルチ才能ぶりは!
時代の寵児となり大活躍、松方幸次郎との出会いからよきアドバイザーとして。
今回は特別に国立西洋美術館学芸員大屋さんのレクチャーがあり、イギリスやフランスで雑誌や新聞から丹念に紐解く。今回事情があって持って来れなかった 愛された壁画やモザイク画を映像やパネルで紹介する丁寧な構成。
一番の見所は二人の夢であった「共楽美術館」という空間の再現。CGで建を再現するのも楽しいが、彼らの所蔵品が掛けられているのも味わい。計画では10mあった天井も国立西洋美術館では半分。その分高さを意識できるように、少し展示が工夫している。この空間を再現するだけでも十分楽しめる。そして彼のデザインを再現したベンチも良い。
その元となった図面は雑誌やスケッチから取られたもの。

当時の東洋世界には未だ存在しなかった美術館をつくろうと夢に賭けた二人の男がいた。
激動する時代の中で、ついにかなわなかったその夢の美術館が、
一世紀の時を経て再現される。とても想像力を掻き立てられる展覧会だ。

国立西洋美術館が開館50周年を記念するに相応しいチカラが入った展覧会
(以下はサイトより引用)

■ブラングィンと松方幸次郎
国立西洋美術館設立の礎となった松方コレクション。1910年代後半から20年代にかけてヨーロッパで蒐集されたこの大コレクションには、その散逸の謎とともに数々のエピソードが残されています
コレクションを築いたのは川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長、松方幸次郎。商用でロンドンにいた松方に蒐集のきっかけを与え、また指南役となったのが画家フランク・ブラングィン(1867-1956)でした。ブラングィンが描いた造船所や労働者をテーマとした力強い絵画に魅せられた松方は、その主要作品を次々と購入し、ついには究極の夢である、コレクションを公開するための美術館、「共楽美術館」の建築デザインをブラングィンに依頼します。
関東大震災後の経済危機により美術館建設計画は実現することはありませんでしたが、実現すれば東洋一の西洋美術のための美術館が誕生し、そこではブラングィンの作品が総合的に展覧されるはずでした。

第1部:松方と出会うまでのフランク・ブラングィン
ウィリアム・モリスの工房で働きはじめたブラングィンは、アーツ・アンド・クラフツ運動、アール・ヌーヴォーといった同時代の装飾芸術運動を背景に、絵画だけではなく工芸品や家具なども制作していきます。パリのサロンやロンドンのロイヤル・アカデミーで認められた絵画、ビングの店を通じて世に出たカーペットなど、美術界で成功する1915年頃までの作品群を紹介します。
《海賊バカニーア》
《海の葬送》
《りんご搾り》
《音楽》
第2部:ブラングィンと松方幸次郎
1916年、ヨーロッパが大戦に揺らいでいる時代に、ブラングィンと松方は出会います。近代工業をささえる労働者を讃美し、日本美術にも関心の高かったブラングィンの才能に惚れ込んだ松方は、その作品を積極的に蒐集していきます。日本につくろうとして結局実現することのなかった美術館建設の構想を、そこに展示するために蒐集されたブラングィン作品とともに振り返ります。
《背後に別館を配した美術館の俯瞰図》
建築、絵画、工芸、家具、すべてを総合するものとして構想された、松方のための美術館「共楽美術館」のデザイン成立の跡を、世界初公開のデザイン画や関連の深い他の展示デザインからたどります。また、散逸してしまった松方旧蔵のブラングィン・コレクションを、できる限り再現します。幻に終わった「共楽美術館」をイメージ体験していただける、必見のコーナーです。
第3部:版画、壁面装飾、その多様な展開
ブラングィンの画家としての成功は、イギリス国内のみならず、アメリカ、カナダなどにも残る数々の壁面装飾に示されています。また、エッチングリトグラフ、木版で制作された版画はブラングィンの名声をさらに広げ、遠く日本にまで多数の作品が送られ、賞賛されました。ブラングィンによる壁面装飾の数々を映像で紹介し、大胆な構図と技巧に富んだ版画作品を展示します。
フランク・ブラングィン原画、漆原由次郎 彫・刷《ブリュージュのベギン会修道院
《英国軍艦ブリタニア号の最期》