ルノワール〜伝統と革新@国立新美術館
ルノワール〜伝統と革新@国立新美術館
2010年1月20日(水)〜4月5日(月)
国立新美術館 (東京都・六本木)
ポーラ美術館が5年間もの準備にかけた「ルノワール展」
ルノワール芸術の魅力を4つの章(ルノワールへの旅、身体表現、花と装飾画、ファッションとロココの伝統)にわけ、印象派という前衛から出発したルノワールが、肖像画家としての成功に甘んじることなく、絵画の伝統と近代主義の革新の間で、絶えず模索をつづけた。
ルノワールは、絶えず前進しようとした芸術家であり、その前進の過程で、彼はいつも過去の伝統に立ち返っている。肖像画家として、生涯を通じて深く追求した身体表現、花々など静物と人物を組み合わせた装飾画、鋭く同時代と関わる肖像表現におけるファッション感覚とロココ絵画の伝統、そうした課題を「伝統と革新」という二つの側面から紹介する試み。
第1章 ルノワールの旅
第2章 身体表現
第3章 花と装飾画
第4章 ロココとファッション
「芸術は楽しくてわかりやすくなくてはいけない」というルノワールの意図をどうやって展覧会で構成するか苦心したよう。
大きく3期に分けることが出来る
1)1860−1878 画塾における修業時代から1874年に始まる印象主義の時代
2)1879−1891 印象派から離れ、サロンでの成功を経て、アルジェリアやイタリア旅行を経験する模索と試作の時代
3)1892−1919 作品の国家購入など栄誉を得て、様式を大成した最晩年にいたる豊饒の時代
身体表現、花と装飾画 ファッションとロココ様式、答えを容易に出して固定してしまうのではなく、明快な回答を保留しながら、次の試作に向かっていく。それゆえ、彼の主題は繰り返されたのである。
「ルノワール展」監修者である荒屋鋪透(あらやしき とおる)氏 ポーラ美術館学芸部長)
Renoir=ルノワール 印象派 というイメージだったのが、実は常に革新的に手法を模索していた過程を紹介される。
リモージュ焼工房で13ー18歳徒弟奉公をしていた。バラの絵 白磁に手書きされる。
よく見ると、確かにルノワールの絵にはどこかしらバラの絵が描かれている。薔薇色の肌も含めバラが好きだったのかも。
70歳代の円熟期にますます 若々しい豊潤な肢体を描き、まるで水彩画で光に溶ける様なタッチに。
シャルバンティエ嬢の肖像画が成功となり、数多くの肖像依頼があったよう。この少女は13歳。
イレーヌ嬢は8歳(残念ながら東京会場に来ない。大阪のみ)
どちらも繊細なタッチで青色が美しい。
印象派の画家の作品が大抵そうであるように、図録やグッズは充実している。
バラのモチーフのグッズなど充実。デートに最適。
半券はミッドタウンで割引もあるので、是非
ジャン・ルノワール『わが父 ルノワール』
彼はほとんどたいてい場合、キャンバスのうえで色を混ぜ合わせた。制作のどの段階においても、自分の絵から透明な印象を失うまいとして、じつに心を労していた。すでに書いたことだか、彼はキャンバスの面全体に色を加えて行った。そのため、見たところさまざまなタッチが混とんと混りあっているだけだが、やがてそのなかから、写真の映像が乾板のうえに姿を現わすように、モチーフが現われて来るのだ。
ルノワールの場合は、最初は、白地になにやら わからぬ いくつかのタッチがおかれるだけで、それは物の形すらなしていない。時には、亜麻仁油とテレピンを混ぜた解き油が、絵具に比較してあまりに多すぎたために、キャンバスのうえを流れていることもあった。
ルノワールはこれを「おつゆ」と呼んでいた。このおつゆのおかげで、数度筆を動かすだけで全体的な色調を試してみることが出来たわけだ。キャンバスのというより、これから描かれる絵の表面にと言った方がいいかも知れぬ。
・記念講演会
2月21日(日)14〜15:30 島田紀夫(ブリヂストン美術館長)
「ルノワールの裸婦像」
3月7日(日)14〜15:30 結城昌子(アートディレクター、エッセイスト)
「晴れた日はルノワールに逢いに行こう」
会場:国立新美術館3階講堂
定員:260名(先着順)
※参加料無料、観覧券(半券可)が必要。