麗しのうつわ 日本のやきもの名品選@出光美術館

 出光美術館といえば「うつわ」充実しているのは当然だが、今回はそれぞれの焼き物の美人揃い。しかもやきものを引き立てるように
光琳と抱一の紅白梅図屏風。前期(1/9-2/14)と後期(1/9-2/14)
展示替えがあるようで、紅白梅図屏風は是非見て頂きたいもの。朝夕庵もめでたき松竹梅、香合、仁清写などで揃える。
(文中の数字は図録No.)

 今回の展示解説は 日本美を愛でる日本文学を感じさせる文章。
柏木麻里氏(出光美術館学芸員)が、日本文学とやきものとを結びつけて、流麗な文章で誘う。また、展示パネルでは うつわの肌の美を引き出す。やきものが もっと好きになる展覧会であることは間違いない。

第一章 京の美 艶やかなる宴
仁清 有名な金銀赤の芥子の花(1)
乾山  乾山の名品揃い(14)(20)(21)、 光琳とのコラボ(18)
古清水  鮮やかな青や緑(25)、清水焼の鮮やかさ
道八  桐一葉の皿(29)
1/9-2/14
蝦蟇流水蒔絵硯箱、紅白梅図屏風(伝光琳)、紅白梅図屏風(抱一)
2/16-3/22
荒磯蒔絵十種香道具、桜楓図御簾屏風(狩野常信)、扇面流貼図屏風(土佐派+海北友松)

第二章 幽玄の美 ゆれうごく、釉と肌
猿投  奈良時代の灰釉(36)
古瀬戸  釉の流れを樹木や流水に見立てる。丁寧な金接ぎ
黄瀬戸  黄瀬戸茶碗 銘春霞(41)
志野  やわらかい温かさ(51)
唐津  朝鮮や 奥高麗茶碗 銘さざれ石(59)
1/9-2/14あ
飛瀑図屏風(元信印)(69)
2/16-3/22
麦芥子図屏風(狩野宗眼重信)(70)


第三章 うるおいの美 磁器のまばゆさと彩り

鍋島  端正な染付と上品な色絵。完璧な線と色
古九谷  鮮やか豪放な色彩。愛嬌ある栗鼠(91)や虎(92) 黄と緑 寛文ひいながた参照
柿右衛門  独特の白磁と赤絵 見事なる流水文(111) 
古伊万里 
薩摩焼  蝶とツツジ (117)
波山  葆光彩磁花卉文花瓶(121)
染付と色絵の工程
夕顔蒔絵硯箱(江戸前期)、虫蒔絵瓜形箱(明治)
2/16-3/22
海浜蒔絵貝形茶箱、吉野山蒔絵茶箱

第四章 いつくしむ美 掌中の茶碗
  長次郎 黒楽茶碗 銘黒面翁(124)
道入(ノンコウ)  赤楽茶碗 銘酒呑童子(127)
織部  黒織部亀甲文茶碗(132)
波山  曜変天目茶碗 銘天の川(139)
塚本快示  青白磁しのぎ椀(141)

 今回の展示のほかに、陶片室も覗く。展示品だけでなく引き出しを開けると、陶磁器の課片割れとはいえ、その文様彩色釉薬の素敵なこと。こうやって完成品が伝わるのは奇跡的だけど、片割れから伝わる完全形でなくとも、その存在に惚れ惚れする。