迷宮への招待 エッシャー展@そごう美術館

10月10日(土)〜11月16日(月) 会期中無休 横浜駅東口 そごう7階

迷宮への招待 エッシャー展

M.C. Escher M.C.エッシャー Icons Series (アイコン・シリーズ)

 これはデートにとってもお勧め。なにしろ楽しく語れる美術館。比較的空いており、視覚的にわかりやすいので誰でも楽しめる。チケットの半券でそごう内カフェやレストランでサービスがあるのも、心憎い配慮。是非おすすめ。またショップも関連グッズや、本も充実している。

 エッシャーという名前を知らなくても、必ず視覚の魔術師は、「だまし絵はどこかで見たことがあるはず。日本人はこの絵が好きだ。エッシャーコレクションを誇るハウステンボス美術館の所蔵品。毎年全国を巡回している。そごう美術館にも2005年に開催されている。
 映像も紹介されており在りし日のエッシャーに会えるのも嬉しかった。

 オランダの版画家M.C. エッシャー(Maurits Cornelis Escher, 1898-1972。精密で幾何学的な美しさと、トリッキーな表現を併せ持つ彼の作品は、広く世界中で親しまれている。
数学者、結晶学者、認知心理学者たちと親交を深め、創作は晩年最後の「蛇」に至るまで衰える事はなかった。

 会場では「蛇」の部分のみ表示されているが、それでも緻密に永遠に続くであろう環が重なる。
彼は「私は人をたますのではない、私が驚いた現象について忠実に再現しているだけなのだ」と言う。「トロンプ・ルイユ」だまし絵、「視覚の魔術師」言われるが、実は超越した空間を二次元に翻訳するグラフィックアーティスト そういう言葉が似合う。
初期の作品から、「スコラ哲学者の恐怖の冒険」など版画ならではの効果が出ている。イタリア旅行でのスケッチ、版画など 風景をデザインにし視覚的にも黒白の陰影を効果的に入れていく。イタリア、カラブリア州のドローイングで、不思議な世界に迷い込んでしまったかのよう。
エッシャーが僕らの夢だった
エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた (知恵の森文庫)

 しかし当時は「芸術」とは認められなかったそう。
会場のビデオでは、在りし日のエッシャーが「蛇」を彫っている光景が見れる。鋭い眼光、更に拡大レンズを持って木版に永遠を刻みこむ。

エッシャーの宇宙

エッシャーの宇宙

その作品500点と日本での著作使用権をもつのがハウステンボス美術館。
エッシャーの魅力は誰でも親しめる敷居の低さ。絵画展なのに、あちこちから鑑賞者の楽しげな会話が聞こえる展覧会もそうありません」エッシャーの伝道師 安田恭子ハウステンボス美術館館長代理

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

みくに龍翔館 エッシャーの父 G.A.Escher 設計白亜で八角形,5階は銅板葺きのドーム状になっているデザイン ここにルーツありという印象。
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 オランダ北部フリースラント州の町レーワールデンに、土木技師ジョージ・アーノルド・エッシャーの5男として生まれました。21 歳でハールレムの建築装飾美術学校に進学し、当初建築を学ぶも版画科へ転じます。そこで生涯の恩師となるド・メスキータ(Samuel Jessurun de Mesquita, 1868-1944)と出会い、版画技法を学びました。1922年に卒業するまでの間にイタリアやスペインなど南欧を旅し、各地の風景を多く版画にし、特に、1922年9月に訪れたグラナダではアルハンブラ宮殿幾何学模様に衝撃を受けます。この時の感動は彼の芸術に大きな影響を与えました。
 1923 年以来エッシャーは、ラヴェッロやローマなどイタリア各地に住んでいました。しかし、戦争の影響で1935年にスイスへ移住。愛するイタリアから引き離されてからは、風景や静物といった具象的で身近なものから、幾何学的なものや心象風景的なものへと作風が変化していきます。1958年にはユトレヒトの共同墓地壁画、1967年にはハーグ中央郵便局壁画など多くの公的な作品を手掛け、国の内外からの人気を不動のものとしました。