美術を変えた9人の画家@POLA MUSEUM ANNEX

ポーラ ミュージアム アネックス
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階
TEL:03-3563-5501 FAX:03-3563-5543
11:00〜20:00(入場は19:30まで)
会期中無休
入場料 無料
http://www.pola.co.jp/m-annex/


ホワイトキューブの静謐な空間に、それぞれ立派な額装がされた名画が並んでいる。
作家と作品解説が丁寧に付けられ、その全ては受付のパンフレットに全て掲載されている。
これが無料とは!

どのように美術を変えたか。ポーラ・コレクション11点9人の画家によって展開する。それぞれの作家にキャッチコピーも付けられており、とても丁寧な構成だった。
どの一枚も素晴らしいものだった。

 名画の誕生する三つの条件、まず鑑賞者に対して受身ではなく、積極的に人々を導く芸術家の独創力、つぎに誰も気づかなかった題材を偉大な主題へと昇華させる技術の高さ、最後に描く対象との驚くべき一体化、その同化のプロセスを、そこに見出していただければ幸いです。
パンフレットの言葉にとても惹かれた。

モネ―風景主題の変革者―
《サン=ラザール駅の線路》
《セーヌ河の日没、冬 》


Monet magic 近くで観ても絵の具がのたうっているだけなのに、離れて眺めていると、夕日はめらめらと輝いて沈んでいき、サン=ラザール駅では煙をふかした汽車が出発していく。

ルノワール―肖像主題の変革者―
《レースの帽子の少女》

女性を描くなら抱きしめたいと思える絵を描きたい ルノアールの自然光にある少女の姿は愛らしい。

セザンヌ―近代絵画の父―
《砂糖壷、梨とテーブルクロス》

静物画だが果物には生気がみなぎっている様な立体とツヤ。セザンヌらしい平面への構成。

シニャック―色彩の理論家―
《オーセールの橋》

全体にムーヴ色の交響曲 傍で見て離れて眺めるオーセール橋

ゴッホ表現主義の先駆者―
《アザミの花》


ゴッホの青は本当にうつくしい。

シャガール―幻想絵画の刷新―
《私と村》

フジタ―新たな線描表現―
《誕生日》


愛くるしい子供たちだが、誕生日パーティーの席では神妙な面持ちの5歳の主役であるべき女の子の「静」、手前でカップを倒してテーブルクロスを汚して大騒ぎの「動」。そして窓の外から招待されなかった子供たちが覗いている。子供の多面性を描いているようにも思える。

ブラック―画肌の刷新―
《ギターのある静物(バラ色の背景)》

ピカソキュビスムの誕生―
《母子像》、《帽子の女》

母子像を見守る父親ピカソの眼差し、帽子の女は才能を触発させたジャクリーヌ