古代カルタゴとローマ展 ーチュニジア世界遺産 きらめく地中海文明の至宝ー@大丸ミュージアム・東京

会 期:10月3日(土)− 10月25日(日) 会期中無休
開館時間:10:00−19:30(木・金曜日は20:30まで開催)最終日は16:30まで
※入館は閉館時間の30分前まで
展覧会ホームページ
巡回
[岡 山]2009年10月31日(土)− 12月20日(日)岡山市デジタルミュージアム
[京 都]2010年2月11日(木・祝)− 4月4日(日)京都文化博物館
[浜 松]2010年4月17日(土)− 5月30日(日)浜松市美術館
[宮 崎]2010年7月16日(金)− 9月12日(日)宮崎県総合博物館
[名古屋]2010年10月23日(土)− 11月21日(日)松坂屋美術館

カルタゴは、古代ローマで恐れられた繁栄の国カルタゴ
信仰はフェニキア、エジプト、ローマの神話が混合して芸術の域にたどり着く。
 紀元前9世紀の終わり頃、地中海東岸に拠点を置く海洋民族フェニキア人が「地中海の女王」と称された、北アフリカ地中海沿岸に建設した古代都市「カルタゴ」の歴史を、モザイクをはじめとして、エジプト、ギリシャとの地中海文明と融合し独自の文化を生み、「北アフリカのローマ」としての円熟期を華麗な文化・芸術の再生をあらためて捉えなおす。

 緻密精巧なモザイクは石の絵画だ。航海術に長けたカルタゴは、地中海貿易を独占し、ローマをはじめとする周辺国家が恐れる強力な海軍力を誇る。海上貿易国家のシンボル カルタゴ軍港、220隻の軍船を停泊有する円形の軍港と長方形の商港をCGや模型で再現する。

 会場大丸ミュージアムは、低く黒い天井のせいか「洞窟」のようだと揶揄されたのも納得。古代カルタゴの世界へ行くタイムトンネルのよう。石碑が多く、富豪など、カルタゴ文字と護符が刻まれる。

「マスク」「鎧」「マスク形ペンダント」「ネックレス」「有翼女性神官の石棺」「コイン」展示手法は表裏両方が見れる上手い展示。

「ローマに生きるカルタゴ」ローマ美術との融合=モザイク
モザイク。小片を寄せ合わせて埋め込んで、絵や模様を表わす。石、陶磁器(タイル)、有色無色のガラス、貝殻などを使う。
「ヴィーナス像・頭部」「ライオン像」「メドゥーサ」「バラのつぼみを撒く女性」「ネレイスと海獣
オリオンと海の生物は、タコ、イルカ、イセエビ、ウニ、ウナギなど海産物に恵まれた影響が愛らしい海の生物たちを活写する。
「ゾウとニシキヘビ」ゾウがヘビに咬まれて血が滴り落ちる生ナマしい場面を描く。
「狩り」猟犬が兎を仕留めウサギが血を流す場面。
ローマ式ランプに描かれた円形競技場で、キリスト教徒が猛獣に襲われる場面、拳闘士、剣闘士の姿。
「喜劇悲劇」仮面のモティーフなどギリシャ演劇の影響だろうか。

▼約5m四方の超巨大モザイク作品『地中海の島々と都市』テレビ朝日本社1階・アトリウム(東京・六本木)で一般公開中。
展示方法もモザイクを起こした形で展示され、その迫力。
期 間:)〜10/25(日)
時 間:10:00〜20:00(9/30は15:00〜)

経済大国カルタゴ滅亡史―一冊で読めるポエニ戦争ハンニバル戦記
ハンニバル  地中海世界の覇権をかけて (講談社学術文庫)


以下はHPより引用
 紀元前9世紀の終わり頃、地中海東岸に拠点を置く海洋民族フェニキア人が北アフリカ地中海沿岸に建設した古代都市。現在のチュニジア共和国の首都チュニスの近郊、1979年にユネスコ世界遺産に登録された。カルタゴとは、フェニキア語で「新しい町」を意味する“カルト・ハダシュト”に由来する。
 カルタゴは群を抜く航海術と巧みな交易により強大化し、海洋交易大国として古代世界の中心─地中海にその名をとどろかせた。また、エジプトやギリシアをはじめとする周辺諸国との交流は、多様な地中海文明と融合したカルタゴ独自の文化を生み、「地中海の女王」と称され繁栄をきわめた。
 カルタゴはまた、当時の新興国ローマとの世紀の対決、ポエニ戦争でも知られる。それは前264年から約100年間にわたり、この二大勢力が互いの命運をかけた戦いである。象部隊を連れてのアルプス越えなどで有名な英雄ハンニバルは、歴史上最強の将軍のひとりとして今も語り継がれている。
 カルタゴポエニ戦争での敗北によって一旦幕を閉じるが、滅亡から約100年後、ローマのアウグストゥス帝により再建された。「北アフリカのローマ」として再び円熟期を迎えた新生カルタゴでは、モザイクをはじめとする華麗な文化・芸術が花開いた。