芭蕉 <奥の細道>からの贈りもの 併設:仙がい展 @出光美術館

出光美術館
9月19(土)〜10月18日(日) 10時〜17時 毎週金曜日は19時まで  ※入館は閉館の30分前まで
東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階(出光専用エレベーター9階)
 
 金曜日に出光美術館学芸員の担当の別府節子学芸員トークが聞けた。以下(数字)は図録No.

第一期 自由奔放 深川草庵の芭蕉 1680-85頃
第二期 漂泊の旅人 1687-91頃
ここが一番別府学芸員が力を入れたところで、山形など各地より個人蔵も含め借りてきている。太め均一で温和な書
◆(18)芭蕉筆、許六画/「野をよこに」発句切入図元禄2年(1689)  ポスターにもなったもの。描いた森川許六芭蕉の門人だが、芭蕉にとっては画の師匠でもあった相互の師弟関係にあった。

◆(19)「落くるや」発句、脇懐紙 長谷川コレクション 山形の山寺芭蕉記念館より
◆(24)出羽三山発句短冊/元禄2年(1689)/山形美術館蔵(長谷川コレクション)
◎これが一番のお奨め!ショップには複製短冊もあった。
「涼風やほの三ガ月の羽黒山
「雲の峯いくつ崩れて月の山」
「かたられぬゆどのにぬらすたもとかな」
長谷川コレクション 山形美術館より 

◆(25)「初真桑」等四句懐紙/元禄2年(1689)/財団法人本間美術館蔵
 「あふみや玉志亭にして納涼の佳境瓜をもてなして発句をこふて……」の前書きの後に、「初真桑四にや断ン輪に切ン はせを」以下、曽良、不玉、玉志の句、元禄二年晩夏末
(あふみや玉志亭)で瓜でもてなされ、即興で句を作ろうということに。句ができなければ瓜は食べられないという座興で 初真桑四つにや断ン輪に切ン と発句を詠んだそう。座興のせいか大好物の真桑が食べられるためか、文字がわくわく浮かれているよう。

第三期 軽妙な筆運び 
◆(31)「蓑虫の」発句自画賛/元禄5年(1692)頃※貞享4年(1687)作句
庭に芭蕉を植えていたらすくすく育ったのだとか。芭蕉自身の画賛
◆(33)芭蕉筆、許六画/「かれえだに」発句画賛/元禄5年(1692)頃※延宝8年(1680)作句

芭蕉の書状や書。大師流という書の一派の影響を受けているのではないかという推察。

併設で仙?が展示されており
芭蕉翁画賛「池あらば 飛んで芭蕉に 聞かせたい」
芭蕉蛙画賛「古池や 芭蕉飛込む 水の音」
座禅蛙、頭蓋骨、堪忍柳...おなじみのユニークな禅の語りが面白い。

夜景を見ながらお茶を一服。満足満足。また旅に出よう。
芭蕉の言葉―『おくのほそ道』をたどる

出光では芭蕉の真蹟を相当数所蔵しているそうで、今回は奥の細道前後の芭蕉をその書風の変化から3期に分けて展示している。
別府学芸員は古筆や書跡学の研究者。芭蕉を書風という点から眺めることもなかったので、学ぶことばかり。その研究者からの解説には圧倒される。芭蕉のような俳人は 句を直接短冊などに書くのだから、真蹟もそのまま残りやすいという事なのか。
羽黒山などで、参拝登山を終えた直後芭蕉が請われるままに読んだ句なども その当時の情景が思い起こされ、その健脚な旅人。
こんなに芭蕉の書が残って無事伝わっているのが芭蕉の人柄ゆえか。
松尾芭蕉の真蹟50件を厳選した展覧会。門人でもある小川破笠筆の芭蕉像。また四方瓢を再現した柴田是真の作品も展示される。

Fuji-tv art-netより引用
日本で最も知られて最も愛されている俳人は、やっぱり松尾芭蕉
でも、芭蕉の真跡を見たことのある人は少ないのでは?書もまた、素晴らしい! by 編集長
芭蕉は、その生涯の内に、句を記した懐紙や短冊、弟子たちに宛てた仮名の書状など、江戸時代としては突出した水準の、美しい仮名書跡を残しました。本展では、芭蕉の三大真跡コレクションの一つである出光コレクションの中から厳選した真跡26件に、「奥の細道」の旅関連の仮名書跡を、その宝庫である山形県の各所蔵先からご出品いただき、芭蕉の筆跡の変遷を辿ります。なお、併設として仙?展を開催します。
芭蕉奥の細道からの贈りもの>展によせて
執筆者=別府 節子(出光美術館学芸員
「古池や蛙飛び込む水の音」の句で有名な俳聖、松尾芭蕉(1644-94)は、その生涯の内に、句を記した懐紙や短冊、弟子たちに宛てた仮名の書状など、江戸時代の俳人としては突出した水準の、美しい仮名書跡を残しています。
6年前に開催した展覧会では、芭蕉俳人としての生涯を、俳風の変化に沿って三つに分け、俳諧の発展につれて三段階に変化した仮名の書風の変遷を辿ったことが分かり易いとご好評を得ました。
本展は、この三段階の変遷を基礎にしながら、特に、芭蕉の真跡仮名の内でも最も優雅で美しいといわれる、第2期の作品群を集めることに力を注いだ展示構成にしております。加えて、充実した筆力に支えられた様々な書風の書状もご覧いただけます。
そして、各々に優れた三つの書風の仮名や、様々な書風の書状を書くことを、芭蕉に可能にしたものは何であったのか、同時代の書家や、先行する連歌師、同時代の俳人の書跡作品との比較を通して、芭蕉の仮名の魅力の謎を探ります。
本展は、この趣旨にそって、「出光コレクション」の中から厳選した芭蕉の真跡26件に、第2期の芭蕉の仮名作品の宝庫である山形県内の各御所蔵先、早稲田大学図書館、大垣市立図書館などから拝借した、芭蕉の真跡、関連作品を加え、50余件の作品で構成いたします。
なお、併設として仙がい展を開催します。