心の眼 稲越功一の写真@東京都写真美術館B1

 「芭蕉景」で惹かれた。1941年生まれ飛騨高山出身の写真家としてお会いしたかった。今年2月25日に急逝された。 
生前から企画されていたこの写真展。まさに稲越氏の温かな眼差しを感じる。金子氏が丁寧なやり取りを通じ出品作品をまとめた。
 人物肖像画やコマーシャルでも活躍していた彼。一流の仕事をした稲越功一氏の「プライベートな眼差し」を特に取り上げた展覧会で。
つまりそれは注文を受けた仕事ではなく、作家活動というか、自分の眼差しを作品として形にし、写真集などにまとめられるもの。スナップショットながら、モノクロームの対比が美しい物語を紡いでいる様に見える。

 自分自身のために撮り始め、シリアス・フォトの写真家として注目を集めるきっかけとなった写真集『Maybe,maybe』(1971)や、『meet again』(1973)、『記憶都市』(1987)、『Out of Season』(1996)などの各シリーズ作品とともに、近年のモノクローム作品による「Recent Work」を紹介。
1970年代初頭から顕著になるスナップショットの眼差しの系譜から、多彩な写真家であった稲越功一の原点を探るとともに。写真美術館のサイトで画像

出品作品リスト

Mind’s Eye―心の眼 稲越功一の写真

Mind’s Eye―心の眼 稲越功一の写真

maybe,meybe(1971
Maybe,maybe (1971年)
記憶都市(1987)
記憶都市―RUST CITY TOKYO

meet again
Out of Season(1996)
Ailleurs(1993
まだ見ぬ中国
まだ見ぬ中国
芭蕉
芭蕉の言葉―『おくのほそ道』をたどる