黄金の都シカン@国立科学博物館+ペルー料理

(東京・上野)2009年7月14日(火)〜10月12日(月・祝) 
午前9時〜午後5時、金曜日は午後8時まで
●金曜限定ペア得ナイト券:2名で2,000円(金曜午後5時から午後8時まで。最終入館は午後7時30分)
●水曜限定レディース券:1,000円(水曜午前9時から午後5時まで。最終入館は午後4時30分) 

 今回は「1日ブログ記者」企画で参加させていただいた。科学博物館友の会会員だが、こういうブログイベントで参加したのは初めて。国立科学博物館では何度か南米遺跡をテーマにした展覧会がある。友の会に入っている我が家だが、ますます科学博物館の日本館も充実した展示内容や展覧会など行く度にお得感が満載のワンダーランドなのだ。この企画がなくても十分盛況な知遊空間。
 墳墓は人間文明のタイムカプセル
黄金の都市「シカン」とは、ペルー北東部にあるインディージョーンズばりにカッコイイ島田泉教授が発掘した遺跡につけた名前で「月の神殿」という意味だそう。
ペルーは世界遺産、一番旅行したい場所に挙げられるマチュピチュなどで有名だ。ペルーの国は高度なインカ文明の地だが、それ以前に既に高い技術をもった国があった。

 さて、シカンのインディージョーンズ 南イリノイ大学教授でもある 島田泉教授が30年の研究成果が展示される。発掘した出土品は、ペルー国立シカン博物館で管理している。今回はそこから、黄金の仮面や シカンの黄金製トゥミ、黄金の御輿、金製チェニック、クモ象形金など、黄金の技を見ることが出来る。
 発掘現場の様子など映像でみることができる。逆さ埋葬、多数の生贄など独自文化も文字がない文化を解明するのに、あらゆる科学的技術も駆使しつつ、解明を試みる過程も紹介されている。
 
 3Dシアターなど、映像とCGを駆使し、立体的に見せる工夫はうまいと思う。
さすが親子連れのみならず、多くのファンをわくわくさせる展示がうまい国立科学博物館。今回も大盛況だった。音声ガイドやクイズラリーという工夫もあって 古代文明のミステリーを解いていくような展示会だ。


ロロ神殿を模したデザイン、素材はエコだ。展示ケースそれぞれにシカン神を、月や幾何学模様を切り抜き光を中から出す演出など。本来の展示以外もなかなか工夫しているが。BGMも流れ、各章で映像で紹介してくれる。
地球の裏側にあるペルーのシカン文化を。時間も空間も飛び越えて、こんなにすぐそばで見ることが出来るのは、国立科学博物館篠田謙一氏やTBSの協力もあってこそ。TBSアンデスプロジェクトは1989年よりの長い調査協力を行っている成果。
ペルーの墳墓から金細工が盗掘されるなど危険もありつつ、未盗掘の墳墓を発見したのは、偉業。地面から何も見えないものから始めるというのは、本当に説得するのも大変だったと思う。教授は、各専門家と連携を取りながら、進めたのも推理がより捗った理由ではないか。
 ペルーで丁寧慎重に発掘を続けるスタッフ。地下12から15mまで手でひたすら掘り進める強靭な体力。更にピンセットやブラシで土を少しづつ取り除く集中力、どれも気が遠くなりそうな位に忍耐を要する作業だ。TBSが番組で取り上げるとはいえ、継続して支えてきた経緯を思う。地中深く眠っていたこれらの出土品に、名探偵島田泉教授の仮説が導いた成果だろう。
黄金の都 シカン [DVD]
SICAN~アンデスの風~
 ペルーのカフェ(日曜のみ)インカコーラ、カムカムジュース、サボテンジュースなど楽しい。企画も宣伝もショップも楽しく構成している。内容の充実はもとより、商魂もたくましい。アルパカも可愛い。
 図録は格調高いハードカバーの洋書を彷彿させながら、意外に軽量で読みやすい構成。子供用ガイドの1000円も十分だが、教授の偉業30年を思うと、大変お買い得な内容ではないだろうか。
「シカン発掘30年 ― インカ黄金文化の源流 (協力:人類研究部 篠田謙一)」

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 シカン展開催特別コースを用意するペルー料理「ミラフローレス」恵比寿店に、強豪ブロガーの方々と集う。
特別コースでもすごいボリューム。
ペルーでは、ビールは泡を立てない「泡はただの泡」。海鮮魚のマリネ(セビチェ ミクスト)は美味。酢漬は「生ではない」。揚げたトウモロコシは美味なつまみ。炊き込んでも旨い。
 三色のトウガラシは三段階の辛味。

最後に見せてもらった紫色のトウモロコシ、化けたのは葡萄ゼリーのような味わい。

音楽に合せて踊ったり、なんとも楽しいペルーの一夜だ。