上村松園/美人画の粋@山種美術館

 -7月26日(日)

 とうとう九段下の山種美術館とお別れである。
それが揃いに揃った美人に見送られて、別れが一層辛い。心惹かれる作品揃い。
 入口から松園の名品を取り揃える。
「蛍」「新蛍」など御簾を通した着物など相変わらず美しい。
「杜鵑を聴く」は本当に杜鵑の声がしそうに、品ある女性が声のほうを尋ねる。絹地に汚損があり、いずれか修復で元通りになることを願う。
 池田輝方の「夕立」大正らしい柔らかな画風だが、江戸時代風俗に託し 屏風が二方向から雨宿りの姿を描く。また美男美女。屏風の折部分の傷みが気になるが、初めて拝見した。
 小倉遊亀「舞う」(舞妓)(芸者)いずれ劣らぬ舞ぶり、その舞の見事さは手さばき、足元などから西川流を彷彿させる見事さ。金地を丁寧に仕上げているせいで一層舞う姿が眩しい作品。
 青山亘幹「舞妓四題」日本画とはいえ陰影やさりげない仕草を描く。
 村上華岳「裸婦図」の妖艶の美だが、添えられたエピソードが絵の本質を突いている。肉感ある豊満な美はインド美術で愛されるが、清らかな目元から足先まで、丁寧に表現されてた崇高なる美。
 舞妓さんが一番綺麗なのは、やはり日本画
 鈴木春信や鳥居清長の錦絵と共に、最終の美に相応しいよき企画。

 次回は新装美術館にて(渋谷区広尾3-12-36)にて10月1日より 速水御舟日本画への挑戦ー