neoteny japan ネオテニージャパン(池田学)@上野の森美術館

 今日は親子連れが多い。そうそうこのneoteny japanの良い点は、へんな美術の知識を必要としないで純粋に楽しむ絵が多い。子ども達の素直な感性にぴったりな点だ。
 入ってすぐに狼をみて「氷で出来てる!」と声を上げた男の子がいた。
 小澤剛のカメラは、こどものおもちゃカメラに似た仕掛けがある。

 コドモ向きでないのは、池田学の大作だ。あまりに巨大すぎて上の方が見えない!
 今回は単眼鏡を持ってきてじっくり見る。そのミクロ世界は非常に濃厚で、場面場面で時折宮崎駿の世界観と似たものが見える「猫バス」や「電車」「動く城」「もののけ」「湯屋」そのボリュームある存在感が生き物そのもので「トトロ」にも似ている。そうやって勝手に想像できる共通項が面白いし、だまし絵的に同じものが様々に変化することも。瓦七変化、噂の「学」サインを見つける。ふむふむ 絵に溶け込ませる白抜きが味わいある。細部と全体像、繊細と大胆、生と死、平穏と狂乱、様々な世界が凝縮しているからこそ「興亡記」か。
 それぞれの画面に見入ってふと我に返る瞬間が、まるで異界に入り込んだ後のような感覚。一人で暫く滞留してしまった。
 高橋氏がコレクションのために特製額を発注した理由もわかる。毎回見るたびに新しい発見があるのも楽しい。

 なお「興亡史」(2006)は、ミヅマアートギャラリーで個展があった。「池田学展「景色」リーフレットより Tim Evansによる評
ペンの動きにあわせて彼の思考プロセスが展開されつつ描く。彼の内的衝動の枯渇と噴出が一つになり始めるにつれて、益々彼は創作に集中する。何かを知覚するという事が漠然とした気まぐれや、混乱した感情に一つの道筋を与え、そこで得たなんらかの認識が、かえってその認識自体に唯一性はない、という真実の断片を明らかにする」「彼の描写への情熱は、彼のロッククライミングへの並々ならぬ愛着に一致する」
 
 1998年から おぶせミュージアムで展覧会をしていたようだが、今年7月31日からも開催されるそう。小布施に池田学と北斎を観に行きたいと思う。

会期:平成21年7月31日(金)〜10月6日(火)
開館時間:午前9時〜午後6時(10月から午後5時まで)
主催:おぶせミュージアム・中島千波館/小布施町教育委員会
協力:ミヅマアートギャラリー 

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