桜さくらサクラ2009 さようなら、千鳥ヶ淵@山種美術館

〜5月17日(日)

 桜満開で新しい春を迎える武道館、千鳥が淵は花の数だけ人出の大賑わい。誰もが陽光を浴びた桜を愛でてはそぞろ歩きして楽しんでいる この世の春。
 山種美術館もとうとう今年で最後の春を迎える。
入ってすぐ迎えるのは 石田武千鳥ヶ淵」水色の水紋に浮かぶ淡い紅。
奥村土牛「醍醐」「吉野」その瑞々しい空気までも描く桜の定番 山種美術館ならでは。
土田麦僊「大原女」紗本金色 桜が胡粉だろうか平面的な文様でぎっしり描かれている中で瑞々しい大原女の機敏な動きを捉える。足が複数の線で描かれるのが動きが感じられる。解説で「マンガのような」と評していたのが可笑しい。土田28歳。
橋本雅邦「児島高徳」解説は故事来歴を記す。児島と桜を強調し、桜の花びらを穏やかに。
守屋多々志「聴花(式子内親王)」一面の鬱金と薄墨の下で「はかなくて過ぎにし方をかぞふれば花にもの思ふ春ぞ経にける」そのまなざし
夜桜も描き手によって表情が変化する。
千住博 加山又造速水御舟「夜桜」メランコリーであり妖艶であり気高くあり、三様の夜。
橋本明治「朝陽桜」やはり桜は陽光を受けた桜が一番日本人らしいと思う。
次回は「上村松園/美人画の粋」5/23-7/26
開館準備期間を経て、いよいよ渋谷区広尾の地にて新装開館することに。
そして「速水御舟-日本画の挑戦展」10/1-11/29