MOTコレクション-MOTで見る夢/MOT.Field of Dreams@東京都現代美術館

6月28日まで
 東京都現代美術館は、3月21日(土)リニューアルオープンした。これを記念し新たに収蔵された作品を中心に今回MOTコレクションも装い新たに登場して新鮮な切り口で登場する。

今回は入口から ここは現代美術館?と思わせる選択。
黒田清輝「入江」「引汐」「上汐」
奥村土牛「蓮池」
吉田博「東京拾二題」昭和初期の東京風景を木版画で切り出す。
天井が高く広い真白な壁面を持つよさが活かさせた展示。

そして見るべきは石川直樹の写真。
彼は北極から南極まで縦断し最高峰を登頂する冒険家でもある。厳しく美しい自然を収めた写真。過酷な冒険家が切り取る大自然は、フォトアクリルを通じて大地の美のエネルギーを伝えてくれる。先日見た三浦哲也写真展「北に降り立つもの」と同じ感覚を得た。冷たく厳しい中でこそ撮影できる空気。 

 2階を上がると 内海聖史「三千世界」が二面を使っての空間に。5cm四方の
花が842点配置されている。これはこの場所ならでは。『屋上庭園』
大岩オスカール「虹」が1階に、「ネッシー」「モンキー」「牛が見た風景」ブラジルならではの羽ばたく宝石と造花。作者寄贈とのこと、ずっと見られるのかしら。『夢みる世界』
前回同様 奈良美智加藤美佳のneotenyな世界を掲げられる。
小林孝亘 「Dream, dreaming us−私たちを夢見る夢」540cmもの大作 


 そして今回楽しみな出会い
名和晃平「Pixcell−Deer#17」「Pixcell−Bambi#4」 「Gush」
球体を通じて鹿そのものも見える反面、周りも風景も見渡せる。向かい側の風景、小林孝亘の大作も球体の中に。不思議な感覚。
 大竹伸朗「ごみ男」、田中功起は繰り返し音が聞こえるのがノイズに変わるのが難点。

 2階にちょうど椅子が並んでいて自由に座れるのもお奨め。ちょうど今、目の前では騎馬スペクタクルZingaroの舞台が解体されている。駿馬が疾走していた舞台が、鮮やかな紅梅、白梅、そして桜。
 リニューアルされた美術館は以前に比べ余白の美。シンプルが強調されていささか寂しい気。その無駄に広い空間がまた現代美術館らしいのでしょうが。
 エントランスは強烈な色彩で 以前の円形インフォメーションコーナーには、ミュージアムショップnadiff(ナディフ)が移転。そして奥には必見、マイケル・リンによるタイルのトイレ。男性はスカイブルー、女性はフェーシャピンク。同じようで変化がある微妙な表情のタイルはぜひご覧あれ。