ピカソとクレーの生きた時代@Bunkamura
今回の二大作家を冠した展覧会名に見られるとおり、良作をごっそり持って来日。
厳選した名品がゆとりをもって展示している感じ。プレート説明も詳細
教科書や画集でしか観たことがない絵画に初めて会えた感じ。
bunkamuraの会場はとても落ち着いたドイツらしい色彩。
本当は二大作家以外も見ものがたくさんある。
クレーは色やリズムの配置がまさに音楽を奏でているよう。
どんな悲惨な時期でも音楽を感じるような画風を保ち、希望を失わなかったクレー。
その色や形は、リズミカルに動き出しそうな印象。
パブロ・ピカソ《二人の座る裸婦》巨大 凝視して描いている感じ。
右の女性の中指の皺、頬杖つく顔
皮膚をひたすら見入るほど力にみなぎる姿
パブロ・ピカソ《鏡の前の女》水色で平面構成してリズムが感じられる。
気に入ったのは
フラン・マルク《三匹の猫》
ジョルジュ=ブラック《果物皿と瓶、マンドリンのある静物》
パウル・クレー《ある庭の思い出》《ピランプの風景》
《リズミカルな森のラクダ》
デュッセルドルフで教鞭を取っていたこの地ゆかりの画家クレーの
大コレクションが散逸するのを防ぐ決意をした
ノルトラインヴェストファーレン州立美術館
今回の大改修をきっかけに良作がこちらに来日したのは、時あってこそ。
あの時代を感じるのは
マックス=ベッケン「夜」
二度の世界大戦の狭間を生きた時代の画家。夭折の天才が数多くいた。
画家はこの世から去っても絵画は永久に残り、その時代を伝え続けていく。
20世紀のはじまりは、絵画がさまざまな道を見つけようとした時代の幕開けだった。
国家という形を取って世界が争い、芸術家が独裁者に翻弄された醜い時代を
ひたすら生き抜いたクレーもピカソも強い。その生命力を感じる。