蜷川実花 展─ 地上の花、天上の色 ─@東京オペラシティーアートギャラリー

 
 カラフルカラーなアイスクリームには
毒(人工甘味料&着色料)が入っているからこそ、
可愛さも美味しさも一層引き立つ感じ。
 
 女の子が好きなものをなんでも知っている。
一人遊びも仲間で騒ぐのも好きな蜷川実花さんの感覚。
みんなと違う、でもすごく生理的に共感できる感覚。
 ニナガワ エロカワ カワイイ
 金魚ってフナを改良した愛玩。
自然と人工、生きること死ぬこと、
愛することキライになること、天使と悪魔

美術手帖 2008年 11月号 [雑誌]
 
 オペラシティアートギャラリー空間すべてを
極彩色の天国に変えた蜷川実花ワールド。
白、黒、白、黒と連続した背景を変えながら、
一番輝く蜷川世界を背景を越えて展開する。

 初期の【Noir】(self-portrait)
実花さん自身がモノクロに身を委ね模索していた後に
旅で開花したような世界の色!
Blue sky フレームまるごと愛らしい。

「好きなものは自由に撮る」
だからどんな風景も人物も金魚も映画「さくらん」さえも
全ては蜷川実花天然カラー濃度
マジェンダ、イエロー、シアンの鮮烈な 蜷川総天然色

「世界は舞台である」シェイクスピアの言葉のように
人生も舞台、人物も舞台、そんな仕掛けをしてしまう。
美術評論家松井みどり“地上の花、天上の色”という言葉

 まさに時代全てを、蜷川実花は手にしたからこそ
ファッション、音楽、広告などのジャンルとクロスオーバーの活躍
さくらん』映画監督で 花魁の生き様と金魚の運命を重ねた
「びいどろの外では生きられぬ」
飼い慣らされ美のために変形し美のために生きる
歪んだ美さえもいとおしむ。
 
 だからこそ、
棘のある花は美しく、鮮血を流す人は美しく
命を孕む人も美しく、毒を盛っても美しく
それらをすべて「カワイイ」切り口で撮るのが実花流。

タレントや女優を すべからく蜷川実花流に創出する
“ポートレイト”の数々。
土屋アンナ中川翔子栗山千明 彼女たちを変化させる技。
NINAGAWA WOMAN
like a peach
あんさん ホスティス修業中
中川翔子×蜷川実花写真集 『しょこれみかんぬ』
プリンセス 栗山千明×蜷川実花
(私個人はモノクロームの「北野武」の一枚巧い!感服)

写真家としての蜷川実花の過去から未来
これからも多分多くの人を魅了だろう。
その人工的な花の美しさ、人工的な金魚の愛らしさのせいではなく、
人間の願望にある深部を知っている人だから。
さくらん写真集 蜷川実花