モダンな白眉 パリ・セガン島 兵庫達弥写真展@CHANEL NEXUS HALL

追記
*1月13日-2月5日
Gallery 21ホテル グランパシフィック LE DAIBA にて引き続き展覧会の機会があるとか。
別の空間でまた黒と白はどう輝くだろうか。

12月16日-12月31日
11-20時 無休
銀座CHANEL NEXUS HALLで 今日から展覧会が開催。

 会場は見事なまでにモノトーン。
白のライトに導かれて進む

右が白 木漏れ日を映すスクリーンを入る Aube
 水の青 廃墟だろうか そこから見える空の美しさ 暗闇での光
左が黒 詩の世界 Luminescene
 建物 
 黒が映える見事な構成。
 一枚での完成された写真の美しさを論じても足りないが、
この空間での構成が美しい。
 
 ここに今回の展示されたタイトル引用する

透明な青空と流れる雲の下 "モダンな白眉"は輝いていた。
暗い静寂の向こうに橋の灯りがかすむ。
まどろみ続ける島と青白い川の流れに、86年間の刻の塊が影を落とす。
ある日、セガン島にトラックが集結し、"モダンな白眉"を取り囲んだ。
クレーンの長いアームは黙々と、そして勢いよく白眉を破壊する。
雲は垂れ込み、島にはまだ雪が残り、落葉した木立で鳥が休む。
遠くの空がかすかに白んできた。街が動き出す音がする。
何かが今、変わって行く気配を感じる。


兵庫達弥氏ご本人は、ご自身の美学を持ちファッショナブルな人物。
非常に繊細な視点でセガンの美しさを引き出している。

 キャンパス地にプリントされて、黒の美しさは更に引き立ち、
微妙なモノクロにニュアンスを出していました。
 黒のスクエアキャンバスは、kodakで生産終了したもので、
今回のために取って置かれたとか。
 黒色が非常に深く美しく引き立つキャンバス地。
アームが建物を破壊して土埃を立てている場面を映しているのに、
その崩壊すら美的に捉えた。

 写真の額縁やプリントされる地に注目したのは、今回初めて。
空間の中で、写真によって仕上がりやフレームを変え、空間に映える
配置をしている。
 実際に写真の細部、プリントを直に観る素晴らしさを感じる。
セガンの写真は、HPや紙で知る事が出来ても、写真の素晴らしさはやはり印画紙の上。

 ここでは直接写真には光を当てていない。しかし、黒い空間に
浮かび上がる写真のそれぞれは共鳴して、前述の詩のように
煌めく言葉を紡ぐよう。

 セガン島の魅力 壊れていく壊されていく その先にある再生。
モノクロームな世界の中で色を感じたのは青
 そして右手にある蛍光色。
夜明け前にセガン島で見回り警備の人が自転車で走っている
その後姿をさっと撮ったそう。
どんな夜でも必ず夜明けが来る。


 そういう一瞬を逃さない、その一枚から物語を引き出す魅力が
写真家という仕事にある。
 一瞬の風景を撮りながらも、そこに写真家の眼と心、美意識が
映し出される。
彼自身こそが「白眉」ではないか。

 銀座で静かで豊かな別世界。パリのセガン島に誘う

CHANEL HPではseason's greeting センスが良い季節の知らせ