かたちのエッセンス―平松保城のジュエリー@東京国立近代美術館工芸館
秋の青空に黄金の銀杏が美しい初冬に、赤煉瓦の建物を目指す。
日本の彫金の伝統を継承しつつ、それを現代の感覚で斬新に展開する平松保城
「平松のジュエリーは、一本の金属の線から、金属板や箔を使った面へ、そして量塊へと広がって」「金銀の箔を手のなかで揉み込みしわをつける」
金属の 冷たい 重い 固い を
平松氏は 暖かい 軽い 柔らかなるイメージへと変貌。
金の柔らかな性質を活かし、手の中で丸め温めて構想を練るそう。
金属は軽くなり、身に纏うジュエリーへと変化させる。
スカルプチャーウェイトは、同じ正方形が様々な変形を繰り返し、
そのフォルムの多様さの展開は見事。
リングが□なのが驚き。どうやって愛用するのかしら。
○△□図形を楽しみつつ、表面の効果も変化する。
また花器は飛んだり、廻ったり自由自在の質感。うつわのへうげた器に驚くばかり。
近代工芸の名品では
青白磁芥子文大皿(久保田厚子) 品格ある青色の芥子
陶製黒豹置物(小川雄平) 人間豹を彷彿 強靭なる肢体
金彩雲錦鉢(北大路魯山人) 織る錦紅葉と金彩雲の妙
黒茶碗月華千峰(十五代樂吉左衞門) 深き峰に分け入る
漆で描く花の見事、塗り重ねる層も麗しい。
小さな工芸館でお気に入りの一品を見つけるのも楽しい。
小春日和が嬉しい午後。 北の丸公園でのんびりお散歩がてら立ち寄るのが嬉しい。