住吉明子@アトランティコギャラリー Artlantico Gallery

[会期] 〜2009年1月10日(土)
     ※木・金・土曜日のみオープン
     ※2008年12月21日〜2009年1月7日の間は冬季休業
[時間] 12:00〜19:00
アート情報誌 アーティクルで入賞した

 江戸川橋駅から下に下り江戸川小学校を目指して左に折れる
小さな印刷会社が集まる一角にある。
 ちょっと手前には高橋ギャラリーがある場所(現在は休廊)
 「赤坂印刷」の印刷機の音が絶え間なく聞こえ、
向こうの住宅街でクリスマスのイルミネーションが瞬く中で、
のんびりやのエレベーターに乗り、ちいさな画廊に入る。

ましろのへやのなかに、ちいさきものたちがいる。
 うさぎ、りす どうぶつの森 かと思うと
実在する動物に似ているようで、少し違うのでは。

 かわいらしいというのに、無表情なまでに静か。
まるで、ミッフィー(うさこちゃん:ナインチェ)や
ハローキティのように、感情は強く表現しない。
鑑賞するもののキモチに寄り添ってくる。
現代美術でよく表現される、強烈な個性や感情、憎悪や苦悩
ほとばしる本能というものが全く感じない。静かな世界。

「或の森」「流れて満ちる」の平面画が圧倒される。
動物が乗って重なってまるで湧き上がるように立ち上がり
流れるような動物群像。
緑色がキレイで、優しい色が組み合わせてあり、
それらは混色することなく丁寧にひかれた境界線の中で
それぞれ森の生命体のように存在する。

「流れて満ちる」は流れが感じるのが、
キャンバスの横からすでに始まっており、それが全て
中央に流れ着いて、様々な生き物と共に大きな流れを産み出す。
こちらも、素直な青のグラデーションで優しい色を組み合わせてあり、
それらは混色することなく丁寧にひかれた境界線の中で
それぞれ潮流の中で存在する。

世の中が平和でありますように。
私には「奉迎」がとっても愛らしくも寂しくみえた。
愛らしいだけでなく寂しがりやに見える?
隅っこにもちゃんといるんだよ って配置されている。

こんな可愛らしい姿が街の中にあったら、たくさんのひとが
触れたがって、とっても大変なくらい真っ黒になるくらい
愛されるだろう。
磨き上げたように艶やかな白い肌をもつ存在感のままでいてほしくもあり。