ブラティスラヴァ世界絵本原画展@千葉市美術館

絵本と思っていたら大間違い。
本当によく出来た原画でのイラストレーション技術の高さ深さ。
絵本の画質は、やはり原画には敵わない。

ブラティスラヴァ世界絵本原画展」は、
スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで
2年に一度行われている絵本原画の国際コンペティション

グランプリの
アイナール・トゥルコウスキイ

まっくら、奇妙にしずか

まっくら、奇妙にしずか

一本のシャープペンシルに400本の芯、3年の歳月を
かけて描きあげた驚きの精密画。
ボールペンなら 池田学など思い出す。

絵本原画展は貴重な機会で
イランの詩情豊かな草花の押し花を添え
色彩も豊かな世界観や
ロシアの段ボールによる立体的な構成など。

日本でも三人受賞している。
瀬川康男
中辻悦子 よるのようちえん (日本傑作絵本シリーズ) [ 谷川俊太郎 ]
出久根育
あめふらし (絵本グリムの森) あめふらし

出品された日本人作家も多いが
義経千本桜」岡田嘉夫
仮名手本忠臣蔵 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 (1))
タイポグラフィーも岡田氏の歌舞伎再現の
絵にあわせてドラマチックに配される。
そこは絵本の良さ。

 これらの原画展の添えられ BIB2007出品作は
手にとって見ることが出来る。
また日本人作家の絵本も手にとって見ることが出来る。
一枚の絵からの印象と、前後の展開を見ると
やはり絵本は貴重なツールだと思う。
原画と印刷された絵本では、やはり微妙な色彩や
ニュアンスの違いが出てしまう。
絵本は高いというけれど、こんなに魅力的な世界を
収めてしまうのだから、本当は安いものなのだ。

今回は常設企画で「現代アートの夏休み」が出ている。
 現代アートをそれぞれ2作品を組にして、
ちいさなリーフレットは、キーワードを加えて
考えるヒントを与える なかなかユニークな試み。
現代アートの良い点は、それぞれの解釈の自由度に
あるが、リーフレットは思考を妨げることなく
むしろ広げてくれるきっかけを与える。
夏休みゆえ子ども一人でも鑑賞出来るように と
ボランティアもいらして、きっと
千葉市美術館は愛されている場なのだと感じた。