バウハウス・デッサウ展@東京藝術大学大学美術館
なんだか気になる「BAUHAUS」行ってきました。特別鑑賞会企画を産経新聞で企画して下さり感謝しています。今回撮影も特別許可を頂きました。
バウハウスうまく説明できなくて、あまりの出展数に難しいかも...と思った展覧会ですが、 意外に楽しめる!方法を見つけました。 一度迷路のような会場を自由に歩いてみて、実際気になったところをもう一度寄って見るのが良いかも。
/BAUHAUS experience, dessau まさに「経験」
そうして、この会場でしか体験できない、それぞれ作品の絶妙な配置を楽しんでください。
基本的に白を基調としていますが、白い作品には黒地の展示手法をとったり、展示ケースを並べたり椅子や家具をずらりと並べてみたり、展示方法そのものも見るべきところがあります。
校長室が再現されており、大きなガラス窓、洗練されたデザインの家具など、小さな空間とはいえ、この会場内に再現したユニークな試みです。
更に ここでしか体験できない事は、音声や映像です。音声ガイドで聞くのも良いですし、それぞれ映像コーナーがあるので、じっくりと1920年代、バウハウスの映像を堪能してください。
特に表現芸術は大きなスクリーンで映し出され、そこには居心地よい椅子が並んでいます。数が多くないので、良い感じで座れると良いですね。
カタログには写真が載っているので、バウハウス授業ノートや、デザイン演習の作品、そして立体ものは是非会場で味わってください。
トレーシングペーパーのランプシェード その折り畳まれたデザイン
建築模型もあの時代を彷彿されてワクワクします。想像がカタチに。CGでの体験も面白いものです。
校長先生の部屋を再現したものです。窓ガラスから家具まで全てがバウハウスの精神をきっちり受け継いだ素敵な空間です。
あの壁の向こうに魅惑の空間が。良い心地の椅子があります。バルセロナチェアが置いてあり実際に座れます。じっくり1920年の不思議な表現芸術の映像も??って重いながら面白く体験できます。
最後に展示パネル、写真も壁の配色も仕切りも全て計算されたように美しく、すっかり堪能しました。
タイポグラフィーや印刷デザインのセンスの良さは 「ドイツの美しい本」でも毎回魅了します。デザインに定評がある宇都宮美術館など協力しており巡回予定なので、こちらでの鑑賞も期待できそうです。センスの良さは本当に満足印。
あの真四角の色見本帖のように厚いカタログ、タイポやデザイン、写真と色彩感覚がすきです。チラシもドイツデザインならではの色彩感覚で観るだけで楽しくなります。
20世紀の輝く時代を築いたバウハウス、全てを知ってもまだ足りないかもしれない程ですが、この会場でひとつ自分の好きなものに出会えたら幸いでしょう。
バウハウス(デッサウ)の全貌を見ることが出来る展覧会で出品数が多いため、自分の好みに特化する場面から見たほうが良いでしょう。
♪各部での独断と偏見に満ちた見所
《第1部》 バウハウスとその時代
デザインに強い宇都宮美術館蔵が多く、椅子コレクションは見所です。
1-20「MA]ウィーンの雑誌 デザインレイアウトすでに洗練されてます
1-54 頭部 菩提樹の木彫ですが、眼がキラリン!(笑)
1-60 1923バウハウス展覧会のためのポスター
《第2部》 デッサウのバウハウス
2-035 カンディンスキーの授業ノート
2-041 パウル・クレーの授業ノート
理論と図も入る詳細なノート。このノートから授業を彷彿....面白い授業だっただろうな。
タイポグラフィーの美しさに惹かれたのは....
2-042 数字「3」のヴァリエーション
2-047 ポスター原案、シュミットの授業での演習
2-119 広告チラシ
2-128 原案素描 バウハウスバーゼル産業博物館ポスター
2-159、2-160球体を使ったストライプや人物が変化するセルフポートレイト
《第3部》 バウハウスと建築
模型や設計図などバウハウスが好きな人なら是非。
校長室の再現もガラスを大きくとった設計、極めてシンプルに洗練された家具など興味深い。
バウハウス初体験ならば、詳細な作品リストを追うより、自分の興味のままに探検するほうが楽しめると思います。
展示方法がとても工夫されていて、仕切りや展示ケースなど、かなり凝っていました。立体作品は色んな角度から見てみると面白いはずです。
見終わって3階で外景を眺めつつ、現在のバウハウスの活動を知るスペースがあります。是非ここでくつろいでください。