岡鹿之助@ブリジストン美術館


ブリヂストンの部屋をテーマ毎に分けて、展示された
大変工夫された展覧会。

 美意識に徹底した画家。
 風景が彼の手にかかると調和のとれた、まるで良質の絵本のように静かな風景の中から物語が生まれてくるようだ。
 この企画では彼の描くテーマによって章立てしており、いつも常設で心憎い壁の色もそれぞれに合わせたような空間となったいた。
 静かに降り積もる雪。
 いつもカチリとした画風を描き続けていると、自分への褒美のように「献花」を描くそうだ。
 まさに誰もが愛するであろう幸福感に満ちた色を使い見事なまでにこちらを見つめる花達を丸ごと描く。室内からの視点で花を見ながら そのまわりにあるカーテンそして窓、さらに外の風景へと続けていく視線の向こうに広がる世界はやはり岡鹿之助特有のあたたかな建物であり風景である。まるで舞台装置のようなカーテンと窓枠。舞台で微笑むのは美しき「献花」 誰にささげたのであろうか。

 パンジーは岡も言うように、人間のような表情があるので毎朝声をかけるのだとか。その声掛けに応えるように、喜んで綺麗に咲いているみたい。
 読売旅行の企画で舞台となった発電所を訪れるツアーが企画されていた。

 先に訪れた泉屋博古館分室にて、ちょうど近代日本の美術展のうちに
やはり「花 岡鹿之助」 三色スミレが 微笑んでいた。
 日本人が好きなテーマであろうが、やはり幸せの粒子を詰め込んだ花は、全てが全面を向き、心を和ませてくれる。愛される由縁であろう。