柴田鑑三展-光臨する森羅@INAX gallary

jfo15012008-06-16

6月26日まで 

京橋のINAXギャラリーは毎回ユニークな企画をしてくれる場所。
ホワイトタイルが緩やかな曲線を描いてエントランスで迎えて
2Fに上がると、
巡回企画展、現代芸術個展、やきもの個展と3種類のギャラリーが企画されている。
今回訪れたのは、階段を上がって背中側に位置する
ギャラリー2現代芸術個展

 今回は会場のあまりの真っ白なシンプルさに呆気を取られたが、
じっくり見れば視るほど深い森に分け入るような感覚
その白い壁はの断熱建材・押出法ポリスチレンフォーム板を
1mmほどの細い熱の針で、数mmm単位で切り刻み、それを再構築
してつくられた彫刻であった。 

 いろんなイメージを想起させる。
白い雪山の鳥瞰図のようでもあり、迷路のようである。
等高線の隙間から、ある具体的なモチーフも浮かび上がる。
その迷路のような線を追うばかりでなく、
その高低さから見える光の筋、光と影の巡りあいが
また面白い。面に表と裏があるならば、そのカタチは
似通っているはずなのに、全く違う印象で迎えてくれる。
ユニークな彫刻... まさに刻み、面を彫りだしたのか。

INAXのギャラリーでの文章を引用する

部屋を仕切るように立つ白い壁に、巨大な雪山の等高線のようなレリーフが浮き上がっています。降り積もった雪に光が射した時のように表面はキラキラと光り、近くで見ると、前後からの光に等高線状に細いラインが何本も浮かび上がり、立体的になっているのがわかります。こちらから見ると峻険な山の連なり、反対側から見ると深い底の窪みのかたちに見えます。
 柴田さんの作品の特徴は1mm単位の精緻な仕事です。複雑に切り刻まれた断層に光が透過すると、樹脂を超えて何かしっとりとした粉末状のものが積層しているような質感に感じられます。光による陰影の階層は、スクリーンに投影された画像のゆらぎのように静かで不思議な存在感です。雪を連想させる素材の特質ゆえ、厳しい大自然を感じさせる壮大なイメージがあり、冴え冴えとそびえ立ち、神々しさすら感じさせます。

ギャラリーそばに「ブックギャラリー」があって、ここの配列がとても
ユニークです。テーマ毎にまとまっていて、新旧大きさに関係なく
目で追うだけでも満腹になりそうな位に、テーマがぎっしり。
≪ 本の食卓 ≫フェアは6月30日まで開催中。
お腹がすいたら、是非!