フランス近代絵画展@松岡美術館

 これが個人美術館かと驚くばかりの時代も美術様式も形態も全てが!!!の
白金台の異次元空間。

松岡美術館
松岡が晩年、シャガールの油彩画作品『婚約者』に魅せられ、これをコレクションに加えて以降は、フランス近代絵画の分野にも積極的にその蒐集の眼を向けていきました。それらはモネ、ルノワールなどの印象派の作品から20世紀初頭パリで活躍したエコール・ド・パリの画家たちの作品に及びます。
 本展では、そうした館蔵のフランス近代絵画コレクションより、モネ、ルノワールシスレーピサロ印象派の画家たちをはじめ、印象派以後に新しい絵画表現を試みたシニャック、クロッスなどの新印象派の作品、また第1次世界大戦前後のパリで活躍したエコール・ド・パリの画家たち、モディリアーニ、キスリング、藤田嗣治シャガールユトリロローランサンピカソなどの作品を展観し、19世紀後半から20世紀にかけて展開したフランス近代絵画の魅力をご紹介するものです。 

 近いようでなかなかいけない美術館のひとつであるが、「ぐるっとパス」が使える事がきっかけになって、訪れてみた。
 コレクターの一貫した美意識というよりは、世界各国くまなく美しいものは収集し尽くそうという心意気にも感じる。幸い個人蔵をこのような素晴らしい空間の中で鑑賞できるようにした心意気も素晴らしい。

 古代から近代、古代エジプトのミイラから古代ローマの美しき「ミネルヴァ」 そしてシルクロード ガンダーラ仏、古代中国の三彩コレクション、そして近代フランスの絵画、現代彫刻群。
 静かでゆったした空間にて鑑賞できるのも魅力的。特に近代フランスのコレクションが多く充実している。
 
 今回の企画展は近代フランス美術を中心に構成されており、誰もが馴染みがある印象派からエコール=ド=パリの画家達を網羅している。
モネ、ルノワールシスレーピサロ印象派の画家、シニャック、クロッスなどの新印象派、エコール・ド・パリの画家たち、モディリアーニ、キスリング、藤田嗣治シャガールユトリロローランサンピカソまで。一人のコレクターで時代の流れをこれほど超越する美術館もなかなか面白いものかもしれない。

HPから画像が見ることが出来る。
「ローヌの腕に飛び込むソーヌ」ルノワール
若い女の胸像」モディリアーニ

 今回私が初めて見知ったのは「クロッス」(あの巨匠ドラクロアと混同しないようこの名前だとか)
点描の中にある「母と子」に心安らぐ。

 この美術館の解説は 作品そのものより作家の説明にパネルを用いており、作品解説の一部をQRコードを導入している。情報量からするとパネルにしても良い文字数。あまり美術館でかがんで読み込むのも...と思う有難いのか有難くないのかわからないサービス。
しかし、携帯電話やフラッシュ撮影は当然禁止されているが、デジタルカメラでの撮影は良しとしている。太っ腹な美術館。ちなみにこの美術館のポストカードは百円で、旧郵便番号分は三十円、もしお気に入りの一枚があればお得な買い物になるかと思う。
 
 入って奥には中庭が見えて緑深き中を白い蛾が幻想的に舞っている。季節柄 五月の節句として鎧兜の五月人形を飾っていたり、重箱にお花を敷き詰めて飾ってあったり、心行くまでおもてなしの心がある。
  
 ・・・・・・・・松岡美術館概要・・・・・・
創立者松岡清次郎、昭和47年海外のオークションを経験してから一層中国陶磁蒐集に弾みがかかり、満80歳を転機として美術品は私蔵するものではなく、広く一般の美術を愛する人々に公開すべきものであるとの信念のもとに、昭和50年(1975)11月新橋の自社ビル内に美術館を開設。
 数回海外へ蒐集の旅を続け、古代エジプトギリシア、ローマの古美術はもとより、ガンダーラ・インド彫刻にまで及び、中国は陶磁のみか明清の絵画にまで蒐集の手を拡げ、更にフランス印象派絵画にも踏み込み、好奇に満ちた蒐集熱は止まることを知りませんでしたが、平成元年満95歳の天寿を全う。
  平成12年(2000)4月、港区白金台の創立者私邸跡地に、建物として独立した新美術館を建設。