ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展


 ボルドーの第1級ワインムートン・ロスシルドは毎年、
ワインのラベルを著名な芸術家に依頼しています。
シャガール、マリー・ローランサンピカソアンディ・ウォーホル、キース・へリング等、
芸術家の絵がラベルを飾っています。
その貴重な原画展が25年ぶりに日本で開催されることになりました。
芸術的価値が高く、ラベルのコレクターもいる程なのでワインラベルの原画展は、
当時の有名芸術家の歴史にも触れられ、他では見ることのできない絵を見れる貴重なイベント。

 名アーティスト達がラベルを手がけるようになったのは1945年から、
 ワインラベルが精巧にデザインされているのがよくわかりました。
原画とラベルが比較できるので、ラベルにデザインとして落とすときに
どういう工夫をしているか面白いものです。
 今回の展示は毎年の原画とラベルをコレクションボックスに上手く
レイアウトして収めています。これなら世界中安心して旅して回れますね。
フランス語での表記、パネルは日本語と英語併記してあり 丁寧に紹介しています。
 
 初期の金地の方が「ワイン」らしいといえばそうですが、
だんだん時代を取り入れて芸術性を高めているのは素晴らしい事だと思います。
時代に合わせてキョビニズムや立体、シュルレアリスムなど、
時代の芸術性にきちんと沿っていますので、追うのは面白い体験でした。
 2000年ミレニアムは特別にエナメル加工した黄金の羊で
その巻き毛の見事なこと。ちゃんとワインボトル全体で見事に調和しています。

ワインボトルでみんなに触られて一番指紋が付いていましたが...

 また版権交渉などきちんとされていて、
遺族の許可を得ての 71年カンデインスキーであり、
73年には記念すべき1級昇格と共にピカソです。
なんとなく「V」勝利を現しているように感じました。

アルフィーノ=タマヨが実現されています。

節子は原画と較べるとよくわかるのですが、
ラベルではbambooで枠が出来て、節子のサインが大きくなっています。

また画家の細やかな筆致をかなり正確に再現しているので
小さな芸術品といわれる所以がよくわかります。

 そして ロスシルド男爵夫人の肖像
とても笑顔が素敵な方でパネルでも一番良い笑顔の持ち主です。
現在来日中ですが、2005年をお披露目とか。
(赤ワインが販売されるまでは約3年かかります。
ブドウを刈り取って、醸造され、様々な過程を経て樽で寝かされ、
約3年後にボトルに詰めて、出荷)
「自然と対話しながら造るワインは、美術の創作活動と似ている。
 醸造にかける私たちの思いを感じてほしい。」
彼女をモデルにしたラベルがこれです。
先日レストランで鮮やかなデザインで目を惹きました。
まさにワインの醸造過程が、
太陽の黄色、緑の葉、葡萄の紫、そしてボルドー色のワイン

◆ムートン・ロスシルド ワインテイスティング
http://www.roppongihills.com/jp/events/macg_mouton_wine.html
 51階に案内されます。north北方向の新宿方向、
ちょうど外苑前の絵画館のライトアップが見えますね。
「Star Bar」で天井に小さな星をちりばめた、
まさに私が探していたプラネタリウムバーの感じです。

 ライトアップされたバーに彼女が登場したら。
 2004年はグラスサービスなので、本物のワインボトルは目にしていません。
チャールズ皇太子のスケッチを引用。英仏協商100周年記念にて
label of chateau Mouton-Rothschild 2004 by HRH the prince of Wales

サーブする時から既にアロマが室内中に立ち込めて、
本当に香りだけで酔ってしまうほど素敵な出来です。
 「神の雫」のようにワインの味わいを絵にしてみようと試みましたが、
まだまだ修行が足りませんし、ココではうんちくをたれる程知らないので、
第一印象のみ記しておきますね。
 
 立ち上りは香り立つものの味わいが「spicy」と。
しばらく置くとすっきりした香りに変化します。緑の中にいるような感じですね。
だんだん時間が経つうちに 友人は「干し葡萄みたい」。
なるほど、熟成した果実が凝縮したような味わいに変化します。
 絵は描けないのですが、バーの紫色のネオンカラーがイメージに合うかも と思いました。
 具体的な美女は描けませんでしたが、そうですね....
魅惑的な女性の典型ではないですか。
最初芳しく どきっとさせて、少し冷たくあしらわれるのですが、最後には虜になる感じですか。
とにかくアロマは素晴らしくて、芳しき幸せな気分でした。

 ボトルで5万円が日本国内の相場なので、さすが一杯のグラスワインは見事な味わいでしたね。
今までこんな体験はありません。
星の瞬くバーにて東京の夜景を観ながら、グラス一杯をたっぷり50分ほど語りながら、
香りと味わいの経過も堪能しつつ頂いてしまいました。
 
 ちなみに、シャトームートンのマークである羊は、ムートンを大々的に飛躍開拓した
Baron Philippe de Rothschild氏が牡羊座だったことからこのマークになったそうです。

・・・・・・・・・
ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展
会期: 2008年03月01日(土) 〜30日(日)
会場: 森アーツセンターギャラリー