川俣正『通路』再び..@東京都現代美術館

前回はカフェトークのために来館したのみだが、今回は
Artwatcherな叔父様と一緒に。 
 2回目だが、何もかもが とても変化していた。
ラボはそれぞれに活動を始めていて変化しており、まずカフェに立ち寄る。
(ラボの番号はHPに従い、寄り道した順番に記入する。)

◆「編集」Lab.5 Walkway Editor Lab
それぞれのラボの活躍も集約している場所かな。
カレンダーにそれぞれの活躍が記されていました。
川俣氏に会いたがった叔父さんですが
「川俣氏はパリに行かれました」 暫くは日本不在とのこと。
カフェトークも終わり、ラボもそれぞれ活発に活動を展開しており
川俣氏ご本人がなくても それでも道は続くようです。

◆「通路カフェ」Lab.7 Walkway cafe
 叔父様はカフェの方と私にビールをご馳走してくれました。
カフェを運営しているのは児玉さん
「お客様からのおごりの時だけは呑んで良い事になっている」
とのことでみんなで乾杯する。そして児玉さんと川俣氏との出会いや
活躍ぶりの片鱗を伺う。
 前回はコーヒーだったので、また格別な味わい。
この美術館のために合法的に許可承認を受けて、お酒を出してくれる。
美術館の展示室内でお酒を出すのは今回が初めてとのことで、
川俣正の個展「通路」――美術館を開く「生きた展示」(アート探究)
2008/ 02/ 23日本経済新聞 朝刊 』登場、
「酒を出すカフェ」が見出として出ているけど..
 プレビュー内覧会で販売していた「通路クッキー」
売っていないのかと聞いたのですが、大きな公共建物の一角ゆえに
販売許可が下りなかったそうです。残念です・・・
その代わり 川俣氏活動30周年記念の素敵なメダルを見せてもらいました。

 なおココで販売しているビールや飲み物、グッズの販売収益は
ボランティアさんの交通費などに還元されるとのこと。
コースターを買いました。これ通行証にしたら良いのに!
ちなみにこのカフェの領収書もらうと押してありますよ。
ネズミの耳をつけたキュートな川俣氏です。

 カフェでもお奨めされた場所がココ。
◆「セルフポートレート・ラボ」lab.1 Self Portrait Lab
実は前回気づいていませんでした。(しまった!)
蓮沼さんが運営されていて壁一面に自画像が掲示されています。
 Epoch makingというプロジェクトに関わった蓮沼さんの
自画像のマッピングという面白い趣向で、
自分の顔、もしくは自分に関わりがあると思うものを描き、
大きな空間に配置していくと、見えてくる面白い視点です。
 骸骨に和紙で出来たニット帽(和紙とオレンジのニットのリバーシブル)
人骨がとっても身近に感じられる 見つめる場所ですね。
後ろには素敵なライブラリーがあって、そのほとんどが
蓮沼さんの蔵書だということですが、見せて頂くのも一向かと。

★3月16日(日)15:00-16:30
自画像を描くための顔の解剖学
講師:布施英利(東京芸術大学准教授・美術解剖学


◆「コールマイン・ラボ」Lab.2 Coalmine Lab.
「炭鉱」を現代の視点で捉える活動は、各地で進行しているようで、
レポートもだんだん深みが増してます。
私は黒ダイヤという羊羹のレポートに目がいってました。

◆「ワー・ラボ」Lab.3 wah lab
 まずはDVD映像をじっくり見ることから始めよう。
とにかく「おもしろい」。
京都を中心に面白い実行犯がおります。
プロジェクトは前回の「アイディア募集」から
実現するアイディアは「地面の中に家がある」に決定!し
その実現に向けてボランティア募集に転換中です。
 彼らは江東区や川崎の小学校にも出張して出かけて
このwah labを展開しているそうで、面白い事を実際にしてみる
そしてアイディアを考えてもらう。
「この大人は嘘つかないな」と信用してもらうと
俄然アイディアが飛び出すようです。
実際実現させたのは「雪のない所に雪を」
茶色い地面にたくさんのユキダルマが...
本来はアイディア発送から実現までのプロセスを子供たちに
関わらせたいとの希望でしたが、小学校でこんなプログラム
実現させたら楽しそう!
電波新聞」もユニークです。
京都弁の増井さんがお話して下さいました。

◆「サバイバルイン東京・ラボ」Lab.6 Survival in Tokyo Lab
 それぞれのサバイバル生活者へのゲリラ的なレポートがユニークですが、
住まう人にとっては領地内を進入されるのは色んな感情があるかも。
人の内側に入り込むのはなかなか大変なものです。
実際にサバイバル体験もあって、
段ボールの隙間から見える空についてのコメントがいいですね。
アート体験って『今までと違う視点からモノを見てみる』ことかも
しれませんね。

 そんなほぼ6時間叔父さんは通路に居たのでした。

 今日は特別に長田謙一先生(首都大学)ドイツ美術戦後編の
講義がありました。大きなベニヤのテーブルを囲んで
工事現場での語り合いみたいなラフなカタチでの講義です。
ヨーゼフ・ボイス」について画像を交えての話。
 社会こそ誰もが参加する「見えない彫刻」だと主張するボイス
なかなか面白かったのですが、滞在時間オーバーで退出せざるを得ず残念。
どこかでこのお話についての事後レポートがあれば拝見したいです。


当日ナビゲートしてくださった水谷叔父さんから後日のメール
・・・・
「ART体験」していく事、大切ですね。
けれども、その中では、豊かな気持ちの時間の余裕
例えば、食事やコーヒータイム〔ビール?)を持たなくては、
人間らしさが失われてしまいます・・・・・・
川俣正「通路」は自分が作っていくんだ、の気モチが大切と思っています。
私は、アート展示の場に自分を置く時、自分が主役で、
自分との対話を楽しんでいるのです。
勿論、その場所にいる多くの方々を巻き込んで行くのも必要な技術なのです。
・・・・
 はい 前回のように、川俣正「通路」展に関していえば
無言で通り過ぎてはタダの通路そのもの。
そこでの活動やボランティアを巻き込んで
体感する通路が一番収穫がありました。
まだまだ続く「通路」展。
しかしあのベニヤ板、屋外は春一番で吹き飛ばされるし、
屋内では全体が見えずに迷い子羊状態。叔父さんを探すときも大変でした。
人間の視界の限界を感じますね。。。
1階でB2階の様子を見下ろすような視点も必要です。

 これからは人にはずうずうしくモノを聞いてみよう♪
そうすることで引き出せるもの 見えてくるものがあることを実感しました。

 ところで。チケット売り場で入手できるパスポートは
味気ないプリントアウトの紙で、叔父様は憤慨していました。
通路のベニヤ片でもよいので「passport」が用意されていたらよかったのに。
通行手形みたいなもの?
(ボランティアさんはカッコイイ通行証らしい)