大正シック展@東京都庭園美術館

明治と昭和に挟まれた15年の大正期、
 アールデコの影響も受けてエログロナンセンスな時代でもあった時期。
女性は物憂いのある表情の美人が多く描かれ、時代も混沌とした昭和初期に入っていく。
芸術家は時代のにおいを嗅ぎ描いていくのか。
 有名無名問わず、日本画の技法に西洋美術を取り込んだもの
時代を反映するカメラやマイクまで描いたもの、時代の流れを感じる作品が多いものです。

◇中村大三郎「婦女」
麗しき入江たか子嬢18歳の時のもの。
下絵と共に展示されており、その正確な筆使いが感じられる。
日本画はなんと細やかな事か 瞳の光彩や髪の生え際まで
本当に丁寧に描き込まれ、その当時のアイドルだったのでしょう。
同時にプリントした長襦袢博多人形まで出ていました。
アイドルのフィギュア
キャラクターがプリントされたアンダーウェアというところか。

◇和田青華「T婦人」
長椅子に腰掛け、真珠のロングネックレスを手にするT婦人。
実際に写真も掲示されていますが、絵の方が美しすぎるとコメントあり。
3階では同じシチュエーションで写真が撮れる様になっています。
館内唯一撮影可能な場所です。
大正ロマンが似合う方とデートして撮影してきました♪

山川秀峰「三人の姉妹」
実際にご令嬢方の写真も展示してあり、さすが良く似ている
そして三人の性格を表現しているよう
この時代に自動車にカメラ、三姉妹お揃いの着物。
よき時代の幸せな日本人であること。

◇小早川清「ほろ酔い」
もう瞳の中に酔いが回っている アンニュイな表情
大正ロマン派そのまま。こんな女性が持てはやされた時代。

◇着物
着物は日本人の感覚とは異なり、アメリカ人好みというか
度肝を抜くような斬新で大胆な色彩や構図デザインが多く見られましたし、
幾何学模様や蜻蛉をデフォルメしデザインした着物が出ていました。

庭では薄紫の紫陽花が華を添えており、
原生林のような自然教育園と共に深い緑の空間。
時代を超越した別次元かもしれません。