PARMA展@国立西洋美術館

jfo15012007-06-07

 イタリアのパルマ地方の宗教芸術が発端でしたが、ローマやミラノとは違った印象を受けました。
 全てが優雅に柔らかな線、そして宗教や神話をテーマにして誰もがわかり易く理解しえる目や感性に訴えてくる題材があります。
 教会での画面構成は閉じられた空間をより高みへ視線を向かわせるように描かれます。そして天使の可愛らしい肌。女性も薔薇色の肌と大きな輝く瞳が愛らしく表情豊かです。パルマ地方の女性や子供達がそうであったのでしょうが、世にも愛らしい人物が多いですね。優美なルネッサンス期からバロック期へと続く美術。
 高貴なる都市パルマの繁栄を築いたファルネーゼ家の肖像画も都市の繁栄ぶりを感じます。
 アモーレ カンターレ マンジャーレ♪でしょうね。パルメザンチーズもパルマハムも美味しいですもの。

◇マッツォーラ「若きアレッサンドロ=ファルネーゼを抱擁するパルマ
パルマは息子を溺愛する母の化身のよう。自立した彼は地球儀に腰掛ける姿は将来の活躍を暗示しているようですね。

これら同じ主題が何点が出ているので比較すると面白いですね。
◆パルジャミーノ「ルクレティア」
赤く高揚した頬と真珠を編み上げた髪、輝く白い肌。イタリア人も貞節のシンボルの彼女をいかに愛したか。

◆パルジャミーノ「聖カタリナの神秘の結婚」
幼きキリストの表情と指輪に注目です。人物が幾重にも重なって上部にも背景に混じりそうに天使の顔が浮かび、下部でも愛らしくも表情豊かな天使達が潰されそうになっていますね。

◇マロッソ「聖ルチア」
名のごとく光を表し眼病に効くというので、手に象徴として「目」そのものを手にしています。あまりにダイレクトな表現で笑えますね。
どこも聖人の功徳をあやかりたい気持ちは変わらないのでしょう。

◇スケドーニ「キリストの墓の前のマリアたち」
光と影を劇的に対比させた色彩ある画面。マリアたち女性の表情はかなり写実的。キリスト復活を告げる天使の光放たれた姿。

 国立西洋美術館は美術に親しむような工夫をたくさんしており、子供向けのガイドツールや展示に丁寧な解説パネルを付したり、本当に楽しい場所になっています。