<ブロガーナイト 白隠の魅力に開眼せよ!!@Bunkamura

 Bunkamuraザ・ミュージアム 

この場で日本美術展は初めて。今回はブロガーを対象にしたイベントに参加する機会を得た。
監修・山下裕二明治学院大学教授、企画の広瀬さん、アートコーディネイターとして大活躍のTakさんの鼎談となった。

 長年「白隠研究会」を続けており、全国に分散する白隠を訪ね、そして賛と画を読み研究を重ねたそう。
それがBunkamuraのリニューアルに伴い日本美術展が提案された。
 これだか偉大で海外でも著名な「白隠」ではあるが、一点も重要文化財にも国宝にも指定されていないそうだ。
そのため、このBunkamuraの展覧会が実現した。
しかしその裏では45か所の寺院の檀家会議を重ねて調整するのが大変だったと裏話もあった。

 展覧会は六角形をモチーフにして展示室が構成されており、中央に達磨づくしの「だるま部屋」と呼ばれる空間に座布団で車座になって話を聞く。

 入口には達磨さんの幽霊!しかも、片方だけの靴を手にしている。
宋雲という僧が亡くなったはずの達磨に旅先で会う。達磨禅師はクツを片方だけ持っていて、天竺に行くという。
宋雲は戻って墓を見るとそこには片方のクツが残っていた、という逸話を元に描いたもので、数点あるうちのひとつ。


そして観音様。
絹本で丁寧に描かれて妖艶な美しさ。豪快な筆致の達磨や閻魔様とは対照的。早くに亡くした最愛の母を描いたのではないかというの山下教授の説。

 そして、達磨部屋は六面に達磨が睨みを利かせて鎮座。この目をよく見ると斜視ではないか、と推測される。達磨の眼にも注目して、おそらく自画像に近い達磨図ではとのこと。

南無地獄大菩薩
“Imagine there's no Heaven”ジョン・レノン「IMAGINE」にも出てくる思想と同じ。
此の世は地獄で苦しむからこそ菩薩の救いがある。地獄こそが大菩薩、ありがたい存在だという。
絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵
白隠も小さい時に母に連れられて行ったお寺で地獄の恐ろしさを知り、出家して修行したという。

これは森美術館「HAPPINESS」で展示されていた「百壽」

閻魔様より怖い顔が上に...

白隠 (別冊太陽 日本のこころ)
芸術新潮 2013年 01月号 [雑誌]

今年は渋谷の文化村に45か所から協力を得て、白隠の代表作品のほんの一部が並ぶ。
それでも、この六角形の空間で過ごす時間は稀有な体験だ。
決して再現できない今回限りの展覧会。見逃すなかれ。

このようなブロガーナイトの機会に感謝したい。
何ができるわけでもないブロガーだが、こうして貴重な体験ができるのも、
旧知のブロガーとの関係が続いている御陰。