国宝 三井寺展@サントリー美術館

 天台寺門宗総本山・三井寺園城寺)では、
開祖・智証大師円珍さまの入唐求法帰朝1150年を記念しての国宝三井寺展
 日本三不動として高名な金色不動明王(黄不動)をはじめ門外不出の秘仏
智証大師ゆかりの国宝、重文などが多数展示されている。

 近江八景では「三井の晩鐘」が有名。
江戸の文様や浮世絵、屏風絵にも描かれる。弁慶の引き摺り鐘も。

 子供だけがもらえる「おもしろ美術手帖
今回は円珍さんと仏像のいろんな姿をわかりやすい カード式。

 大阪市立美術館で昨年公開した作品を、今回は4期に分けて展示
第1期 2/2-16 第2期 2/18-23 第3期 2/25-3/2 第4期 3/4-15
 なんと4分割された会期 頻繁に展示替えを行うそう。絵画は大阪・福岡会場のみが多い。
叶うなら、第1期は見ておき、後半に行かれると「国宝 黄不動尊(平安期)」が拝顔叶うだろう。
多生のご縁と思うか行かれた日を吉日と思うのが良いだろう。
 何しろ智証大師帰朝1150年記念と名うち、円珍の足跡を唐代と平安期の当時の記録を
中心に紹介されているのは圧巻。平安期の資料から入唐の足跡や求法の道程、教学
そういう歴史が立ち上がって見えてくるのが オモシロイもの。
もう美術館というより、博物館に近い展示内容となっている。

 観るべきはもうひとつ 数々の仏像 秘仏が多く、また初公開も含まれる。
 【初公開】
金色阿弥陀如来立像 端整な顔立ちと姿勢、そして細やかな文様には驚くばかり。
不動明王画像(黄不動尊)・・・日本三不動として高名な不動像
国宝・新羅明神坐像・・・大師と三井寺の守護神としてまつられる神像
秘仏】国宝・智証大師坐像(御骨大師像)・・・大師の遺骨を胎内納めた霊像
秘仏】国宝・智証大師坐像(中尊大師像)・・・唐院大師堂の中尊にまつられる秘仏
秘仏】国宝・五部心観・・・大師が入唐求法で長安の法全和尚から授かった唐代の密教図像
国宝・智証大師関係文書・・・大師のご生涯を知る根本資料群
秘仏】重文・黄不動尊立像・・・黄不動尊の木像で、唐院大師堂に安置される秘仏
秘仏】重文・如意輪観音坐像・・・33年に一度ご開帳される西国観音霊場第14番札所のご本尊

 33年に一度という「如意輪観音坐像」は必見。
なぜか左膝が撫でられたように輝いている。
とても愛らしい表情と口元でと肢体。この口元はちょっと惹かれますね
少女のようにも見えて愛らしい感じ。

 仏像…という人は音声ガイドを借りると良いかもしれない。とにかく行くしかない。
〔55〕で 声明「四智讃」が聞ける。
*声明は、法要儀式の時に仏教の経文に節を付けて朗読する声楽。
「三井の怒り節」と呼ばれる力強い抑揚をつけながら声明を披露

特別公演「三井寺の声明
休館日にゆっくり展示を観覧、仏教儀式に用いられる美しい調べの宗教讃歌「声明」を鑑賞できる。
2009年3月3日(火) 19:00〜20:00
応募締切 : 2009年2月17日(火)

 また、没後400年を迎える狩野派の絵師・狩野光信の代表作
国宝・勧学院の障壁画(重文)を一堂に展示。
 ライティングを変化させ、蝋燭の灯りを感じさせる照明も体感できる。
複製も含めあの一角に空間を実現させる技が見事。

 またアーネスト・フェノロサは 
三井寺を愛し境内の法明院墓地に眠っているそう。没後100年にも当たる。
(明治期の日本美術研究家 多くの秘仏を発見した功績は大きく
奈良・法隆寺など関西の寺社の宝物調査に携わり、明治維新後の廃仏毀釈
打撃を受けた仏像などの保護を訴えた)
そんな一面を見せる手紙や写真など最後に現代に繋げる橋を渡り 会場を後にした。
 
 六本木の天空高くに多くの秘仏がいらっしゃるのが誠に不思議な感じ。
美術という視点でなく 信仰心からもぜひとも寄る価値がある非常に得がたい展覧会

 しかし ここのグッズのオモシロイもの
3Dの仏像ポストカード。不動明王如意輪観音坐像が三井寺を背景に佇む...動く? 
国宝「五部心観」のTシャツ(これ流行るといいなあ と密かに思う)
竹のしおり(竹と筍 娘は気に入っていた)
商売っ気も茶目っ気も サスガ近江の商人 か。