仮名手本忠臣蔵Aプロ@平成中村座+江戸東京博物館
平成中村座が浅草寺境内に特設されると聞き、仮名手本忠臣蔵を観にいく
あの大作をなんとプログラム4部構成されるという。
仲見世の参道を通り浅草寺の御香で焚き染められて
芝居小屋に着くと この浅草寺境内の一角にある仮設劇場 勘三郎丈がどんな人でも自由に飲み食べして楽しんだ江戸時代の歌舞伎の嗜みを再現したいという願いが、現代流に生まれ変わる。そうこの大提灯は、浮世絵の歌舞伎の様子か、江戸東京博物館の中村座でしか見たことがないので、江戸風情にタイムスリップして。
いつも歌舞伎座や国立劇場、新橋演舞場の大きな会場で花道が遠いなあと思ったいた今までが嘘みたい!実は勘三郎丈ならびに仁左衛門丈のナマの舞台も、まして無敵の演目「仮名手本忠臣蔵」を見たこともない私が、あるきっかけで竹席を射止めた。江戸の町娘になった気分。すぐ横が花道!という夢かと思うような席。とにかく今回の席は舞台と近く花道に人が通るたびにドキドキ。その距離30cm
【Aプログラム】午前11時開演
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目 足利館表門進物の場
同 松の間刃傷の場
同 裏門の場
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
同 表門城明渡しの場
塩冶判官 勘三郎
高師直 橋之助
顔世御前 孝太郎
桃井若狭之助/早野勘平 勘太郎
足利直義/おかる 七之助
大星力弥 新 悟
薬師寺次郎左衛門 亀 蔵
石堂右馬之丞 彌十郎
大星由良之助 仁左衛門
《大序》
人形浄瑠璃の形式を入れた導入部、中央に黒(高師)・黄(塩冶判官)・浅黄(桃井若狭之助)
花道から顔世御前が玉砂利を踏んで進むという設定で、足取りが本当に艶っぽい。
イヤホンガイドで鑑賞したが、話の中で「パワハラとセクハラの高師」「文を渡すなど迷惑メールみたい」など当世ふうに紹介してくれて本当に面白い視点だった。
桃井若狭之助が怒りで真っ赤になるのも所作で怒りを表すのも見事。足利直義は美形な七之助丈ならでは。通常将軍家筋の役は名家御曹司が演ずるのだとか。人形はまり役。
《三段目》
恋の恨みと金(賄賂)のせいで、いびり対象が若狭之助から塩冶判官に向けられたのが ことの発端!
橋之助丈のいびり台詞の迫力(プログラムに書いていたはず。小さい頃に力弥役で可愛い姿だったのが...)
勘三郎丈の表情の変化を追うだけでも本当に凄い演技と感じ入る。眉だけで表現している
《四段目》
「通さん場」切腹までの儀礼をきちんと見せていただいて、歌舞伎時代物として形式を残してくれることが所作儀礼を知る機会となる。人の死に様を見聞するなんて複雑な気分だが、非常に見事な塩冶判官。力弥との表情でのやり取りも見事。
切腹直後に花道から慌しく駆け込む由良之助登場。
「この九寸五分は汝への形見。この短刀をもってわが存念を」「委細」芳しい焼香が芝居小屋を満たす葬儀の場。
血気盛んな遺臣が屋敷に駆け込もうとするのを押し留める場面。花道は裃姿の遺臣で一杯。すごい臨場感。
屋敷を去る由良之助 無言で演ずる仁左衛門丈の表情所作全てが非常に見事で貫禄あること。三味線の送り三重で去る姿
花道を歩く姿を傍で見ることが出来て感激。
印籠を着け、裃の家紋も鷹羽重、武士姿でも見所は尽きない。
江戸の歌舞伎鑑賞といえば一日がかりの娯楽 かべす(菓子、弁当、すし)にあやかり柿の葉寿司を頂く。
もっと見ないと語れない忠臣蔵
- 作者: 竹田出雲,並木千柳,橋本治,三好松洛,岡田嘉夫
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2003/10/01
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橋本治の出だし「夜になって太陽が隠れると星は美しく輝きます。...本当に立派な人はふだんは目立ちません。でも、いざというときにちゃんと輝いて美しく見えるのが、本当に立派な人なのです...」
仮名手本忠臣蔵由良之助とおかる勘平―団十郎・孝夫・玉三郎
昭和61年の夢のような競演があった。語りは易しく、写真は玉三郎・団十郎・孝夫(現在:仁左衛門)