天明屋尚 風流(ふりゅう)@ミヅマアートギャラリー(市谷田町)

東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
03-3268-2500
12/16(水)〜1/30(土)日月祝・12/27〜1/7休
11:00〜19:00

 非常に繊細な刺青を描き、表装に古きよき日本古来の型を携え、人々を絢爛の景観で驚かせ楽しませる「風流(ふりゅう)」の気配のもてなし。
 オープニングにお邪魔した。今回はギャラリーのご好意で撮影させて頂いた。しかしこの繊細で緻密な質感と表装のしつらえ、是非会場が一番相応しい。

 美術手帖アウトローの美学」で使われた表紙

美術手帖 2009年 09月号 [雑誌]

美術手帖 2009年 09月号 [雑誌]

監修:天明屋尚、p9〜p96

  2000年原宿で個展をして以来ブレイクを続け、絵筆で闘う“武闘派”を立ち上げ、国内外の展覧会への参加や日本経済新聞連載小説の挿画の制作、FIFA2006ワールドカップ公式アートポスター、映画の美術を手がけるなど幅広い活動は留まるところ知らず。
 男が惚れ惚れする男伊達。刺青は生ある人間が覚悟して耐え忍び大輪の華咲かせ、動かす芸術。非常にエロチックな芸術だ。この画風を三島由紀夫が見たらさぞかし高い評価を上げただろう。「さぶ」「薔薇族」にも通じるし、蛸の足と絡みにはどうしても北斎春画を彷彿する。見得であるのも面白い。
 
天明屋の提灯に 焔太鼓型

なんと人食い鮫に向かう姿。波型の表装が見事。

 宮本武蔵五輪の書に想を得た作品。
五輪書 (原本現代訳 (116))
火土空水風 五色の美意識が丁寧に配色配置させた優品。牡丹の花が立ち上がる夢の如き。

 奥の間のしつらえ。小さな小さな表装に、精密で見事な蠅。銀蠅を思い出す。その下に室礼しつらえ。高千穂から取り寄せたという注連縄(しめなわ)鈴。


 婆娑羅[BASARA]や傾奇者[かぶきもの]も日本人が愛するDNAだ。
油絵で大和絵を描く山口晃、アクリルで日本魂で「ネオ日本画」を描く天明屋尚。ペンと墨でバガボンドを描く井上雄彦。若者の心を捉えて離さない魅力。
引き続き、日本を牽引し目覚めさせるであろう。
 天明屋 尚 作品集 傾奇者 kabukimono

 会場にいらっしゃるご本人とお話できて、静かな炎を持つ方。熱いファンの方の感激の声も伺いつつ 貴重な時間を得ることが出来た。感謝。

花の中に「ゆず」